沖縄県で、名護市辺野古の新基地建設に伴う大浦湾の埋め立ての賛否について議論しようという動きがある。県民投票の実施に向け、若者らが準備を進めている。
「辺野古」県民投票の会の元山仁士郎さん(同会代表)、平井裕渉さん、瀬名波奎さんが5月18日、沖縄県庁で記者団に活動内容などを報告した。
23歳の平井さんと瀬名波さんは、基地問題と県民投票に関心を持つようになった動機を語った。
平井さんは「もともと基地問題に関心がなかった」として、次のように話した。
恥ずかしいが、もともと基地問題についてあまり考えてなかったからこそ、僕は今、県民投票の重要性を感じている。
僕らの世代にとって基地は生活の一部として密接で、そもそも考えること自体をしないから、当たり前になってしまっている。
県民投票は、まずは基地問題について考えてみるきっかけになればいいと思う。当事者意識を持ち、基地問題を深く議論するいいきかっけになると思う。
瀬名波さんも「県民投票が考えるきっかけになれば一番だ」と強調したうえで、次のように語った。
基地に関することを勉強しはじめたのはこの2、3年。個人的に思うことがいっぱいある。周りを見ると、いろんな情報がありすぎて混乱してる人も多い。
生まれ育った沖縄の現状は、一言でいうと「複雑」。23歳の目からはそう見える。
この状況を引きずっていくより、年をとったときにスッキリできるように、その手段として県民投票があると思う。そういう気持ちで県民投票のスタッフになった。
会は、23日に那覇市内のホテルでキックオフ集会を開き、署名活動を本格始動する方針だ。
これに先立ち、元山さんは1日、県民投票を実施する条例制定を請求するための手続き書を沖縄県に提出した。(参考記事 辺野古 県民投票が始動 「考える会」が沖縄県に手続き書提出)
県民投票実施には、署名集め開始から2ヶ月以内に、少なくとも有権者数の50分の1に当たる署名を集める必要がある。沖縄県の場合およそ2万4000筆が必要となる。
元山さんは「有権者の1割にあたる11万5000筆を目指している」と話した。(参考記事 辺野古新基地に賛否を 県民投票の会、署名協力を呼び掛け)
「辺野古」県民投票の会は「話そう、基地のこと。決めよう、沖縄の未来。」をテーマに掲げている。18日の記者会見で、県内外の報道各社を通じ活動への理解と寄付の協力を呼び掛けた。
元山さんは辺野古・大浦湾の海について「一回でいいからこの海を見てから考えてほしい」と自身のツイッターでも問いかけている。