太平洋に発生したハリケーンの「へクター」が8月14日、台風17号に変身した。どういうことだろう。
■台風とハリケーンの違いとは?
実はハリケーンも台風も、同じ熱帯性低気圧だ。発生した場所により呼称が異なっている。
へクターの場合は当初ハリケーンとして発生したが、台風として定義される地域に移動したため、台風に変身したというわけだ。
日本気象協会によると、東アジア周辺の太平洋(赤道より北で、東経180度より西)に発生し、最大風速(10分間平均)がおよそ秒速17メートル以上のものが「台風」と呼ばれている。
一方、ハリケーンは北アメリカ大陸の周辺に発生したものを指す。大西洋もしくは、太平洋(赤道より北で、東経180度より東側)に発生したもので、最大風速(1分間平均)が秒速33メートル以上ものが「ハリケーン」と呼ばれる。
■へクターは、どう移動した?
へクターは、8月2日に初めてハリケーンとして観測されたときは、カリフォルニア半島の沖合い約2000キロの太平洋上に位置していた。その後、5つのカテゴリーのうち上から2番目の「カテゴリー4」の巨大ハリケーンに発達した。
以下は、8日ごろ、国際宇宙ステーションからリッキー・アーノルドさんが撮影したへクターだ。
へクターの中心気圧は、一度は953ヘクトパスカルに達したが、ハワイ諸島の南を通過しながら徐々に衰弱した。14日になって日付変更線をまたぎ、東経180度より西に入ったため、台風17号になった。ニックネームは「へクター」のまま変わらない。
中心気圧は998ヘクトパスカルで、ミッドウェー諸島の近海を北西に進んでいる。
ウェザーニュースによると、この先も衰弱を続けながら、日本には接近せずに消滅する見込みだ。越境台風になるのは、2015年9月1日に越境した台風17号(ハリケーン「キロ」)以来で、約3年ぶりだという。