今年の7月前半は、梅雨前線が本州の南岸付近に停滞することが多くなりました。今週後半には前線が北上して、梅雨の終盤に近づく兆しが見えてきました。
ただ、この梅雨末期の気圧配置は本州付近に大雨をもたらしやすいことが知られているとおり、前線の動向に注意が必要です。
前線の位置の予想は、世界各地の気象機関ごとに大きく異なっていて、影響の予測が非常に難しくなっています。
今週後半は日本海側も大雨のおそれあり
今週の前半は梅雨前線が本州の南岸付近に停滞し、引き続き西日本や東日本に雨を降らせる予想です。18日(木)頃にかけては、太平洋側の地域などで大雨となるおそれがありますので注意してください。
その後、18日(木)頃から少しずつ前線が北上し、19日(金)から週末にかけては日本海に停滞する可能性が高まってきました。今年はこれまでに鹿児島など太平洋側で大雨に見舞われましたが、この気圧配置では九州北部や中国地方、北陸などの日本海側で大雨の危険性が高まります。
影響の大きい地域が不確定
ただ、こうした梅雨前線の動きは予想が難しく、世界各地の気象機関の計算したシミュレーション結果が大きく異なっている状況です。
日本の気象庁の気象予測モデルでは、梅雨前線は朝鮮半島付近にまで北上する予想となっています。この場合、前線を押し上げる太平洋高気圧が西日本付近まで大きく覆うことになるため、この期間に日本で大雨となるリスクは比較的低いとみられます。
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ヨーロッパの気象機関の予測モデルでは、梅雨前線は日本海に停滞する予想となっています。この場合、日本海や韓国南部で前線による大雨が懸念され、西日本や東北地方でも強い雨が降るおそれがあります。
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アメリカの気象機関の予測モデルでは、梅雨前線は依然本州付近に停滞する予想となっています。この場合、九州南部や四国など本州の太平洋側で大雨となるおそれがあります。
前線の予想位置の違いが大きい理由のひとつは、フィリピンの東にある熱帯低気圧の存在です。熱帯地域での積乱雲の発達は「太平洋高気圧」の勢力を強めることがあり、これにより梅雨前線を北へ押し上げる力に差が出るため、間接的に前線の位置を操るというわけです。
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梅雨の末期は、「平成29年7月九州北部豪雨」や「平成24年7月九州北部豪雨」、「平成23年7月新潟・福島豪雨」など、日本海側で大雨災害に見舞われたことが多々あります。
今年これまでは、九州北部や中国地方では少雨の傾向だったため、しっかりと雨に備える必要がありそうです。随時最新の天気予報を確認するようにしてください。
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