はたらき方が多様化している現代。企業は数々の施策を打ち出し、はたらき手が仕事に求める「はたらきがい」や「はたらきやすさ」の実現を目指している。
2月下旬、「はたらいて、笑おう。」をビジョンに掲げるパーソルグループのミイダスは「はたらく人ファースト」なはたらき方の推進を目指す「はたらく人ファーストアワード2023」授賞式を朝日新聞社と共に開催。はたらき手を大切にしている企業を称え、その取り組みを発信した。
「はたらきがいを大切にする企業」にスポットライトを当てる
今回が初開催の「はたらく人ファーストアワード」には、全国の1224企業が参加し、1009社からの応募があったという。
ミイダス代表取締役社長の後藤喜悦さんは、アワード開催の背景について「はたらきがいは多様化しているので、向上させることは簡単ではない」とした上で「それでも、はたらく人のはたらきがいは絶対条件です」と説明。さらに「『はたらく人のはたらきがいを大切にしたい』と意思表明した組織にスポットライトをあて、その組織のより良い取り組みを積極的に発信していくことで、多くのはたらきがいを創造したいと思っています」と、アワードに託した思いを語った。
朝日新聞社メディア事業本部アカウントソリューション担当本部長の渡部秀一さんは「報道という立場から労働に関するまざまな問題やニュースや発信する中で、現状を変えるのは『企業や現場ではたらくみなさんの声や日々の営み』だと感じています。1人1人がはたらきやすい環境を目指し、互いのはたらきがいを尊重できる企業や団体の姿勢が、多様性のある生産性の高い社会を目指す上でも大切だと思います」とコメントした。
コンビならではのハプニング?!チョコプラが「はたらく上で最もファーストしたいこと」を発表
授賞式では、最終選考を経て、最も優れた取り組みと評価された「Gold」3社と「Silver」7社を表彰。また「Bronze」20社と、はたらく人ファーストを推進する企業として「White」43社も発表された。
授賞式には審査員を代表して、森本千賀子さん(morich)永島寛之さん(トイトイ合同会社)杉本亜美奈さん(fermata / 公衆衛生博士)杉本崇さん(朝日インタラクティブ運営「ツギノジダイ」編集長)が登壇。さらにお笑いコンビ「チョコレートプラネット」の松尾駿さんと長田庄平さんも駆けつけ、共に企業の受賞を称えた。
「はたらく上で最もファーストしたいこと」について聞かれたチョコレートプラネットの2人は、共にフリップにペンを滑らせた。「楽しむ」と回答した長田さんは「やっぱり楽しめないと継続できないです。遊びも仕事もどんな状況でも楽しむことを大切にしてますね」とコメント。それに対し、松尾さんは「『楽しむ』とか抽象的すぎない?」と眉をひそめてフリップに書かれた自身の回答を発表。そこには「楽しい」と書かれており、思いがけず同じ内容の回答をしてしまった2人は顔を見合わせて苦笑し、会場を和ませた。
給料を自分たちで決める、オンラインで「いいね」が飛び交う...。受賞企業のユニークな取組み
第1回「はたらく人ファーストアワード」受賞企業は以下。ゴールドを受賞した3団体と、審査員のコメントを抜粋して紹介する。
審査員コメント「従業員がチームごとに経営計画を策定し、人件費と利益をもとに経費や自身の給与を逆算して決定する、独自の「給与会議」は興味深い取り組みでした。従業員自らの給与について決定権を持ち、会社の利益構造を理解することで、自身の役割をより明確に把握できるようになり、経営者マインドをつくる上でも良い影響がありそうです。非常にコントロールの難しい制度ですが自走できる従業員が増え、定着率の向上などにつながっている点を評価しました。また、従業員が仕事をする上で重視している各々の価値観を理解し、相互理解を深めることで組織内の対話や1on1を雰囲気で終わらせずに目的ベースで実施している点が素晴らしいと感じました」(杉本 亜美奈さん)
審査員コメント「創業以来フルリモート勤務を基盤とした、週1回の個別面談やオンライン上に設置した仮想オフィスでのコミュニケーション促進に対し、新規性ある取り組みとして評価しました。従業員の仕事観や人生観を重視した面談、クライアントとの食事会を通じて直接感謝の言葉を聞く機会を提供することで、はたらきがいに直接結びつけています。リゾート地でのワーケーション(会社補助あり)を推奨し、「お疲れ様会」をはじめとした社内イベントを定期的に開催することで、フルリモート体制下でも従業員間の結びつきを強化した結果、業績の右肩上がりと従業員のスキルアップや能率向上に反映されていると高く評価しました」(永島 寛之さん)
審査員コメント「笑顔で日本一の職場を目指す」精神のもと、従業員一人ひとりの個性が活かされる職場づくりを高く評価しました。古民家での農業支援や温泉ビジネスなど、福祉医療以外の新規事業の展開や病児保育が可能な保育園の設置などの革新的な施策は、地域とともに成長する姿勢を示しています。コンパニオンアニマルの導入などユニークな施策や院内チャットの活用により、医療福祉業界における離職率の低下と応募者増加に貢献など、同業界にとって参考となる価値ある取り組みです」(森本 千賀子さん)
正直、心配していたことも...。受賞結果から垣間見る日本の未来
授賞を終えて、後藤さんは「改めて受賞された団体のみなさま、おめでとうございます。正直、はじめは『受賞企業は都心の企業や大企業に集中するのでは』という内部からの声もあり心配していたのですが、蓋を開けてみたらそれが恥ずかしくなるような結果になりました。地域や企業規模に関係なく、日本中で最先端の良い取り組みをされていることに感動し、これをもっと発信していかないといけないと強く思います。『はたらく人ファーストな企業』としてのブランディングが企業成長につながるよう精進してまいりますので、今後にも期待していただければと思います」とコメントし、授賞式を総括した。
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【Silver 7社】
・社会福祉法人独歩(埼玉県)
・可児建設株式会社(愛知県)
・株式会社大和工務店(宮城県)
・株式会社トラスト山倖(岐阜県)
・株式会社クロダハウス(石川県)
・タカセ不動産株式会社(大阪府)
・社会福祉法人大東会(静岡県)
【Bronze 20社】
・有限会社補聴器センターアイ(広島県)
・第一保険株式会社(福岡県)
・ウエマチ不動産株式会社(大阪府)
・南信工営株式会社(長野県)
・株式会社アジャイルテック(東京都)
・株式会社エクセル(長野県)
・株式会社永賢組(愛知県)
・ミライアス株式会社(東京都)
・有限会社ウェルネス.(愛知県)
・株式会社東洋化学商会(東京都)
・株式会社ビームス・デザイン・コンサルタント(東京都)
・EGセキュアソリューションズ株式会社(東京都)
・障害者ドットコム株式会社(大阪府)
・中央フーズ株式会社(東京都)
・株式会社ラディカル(広島県)
・有限会社おひさま(東京都)
・特定非営利活動法人団栗会(奈良県)
・有限会社石富工業(愛知県)
・株式会社公文建設(高知県)
・株式会社インプレステック(広島県)