パリの路上で、セクシュアル・ハラスメントな言葉を投げつけられ、言い返した女子大学生が、腹を立てた男から顔面を殴りつけられるショッキングな動画が拡散し、物議を醸している。
被害を受けたのはマリー・ラゲールさん、22歳。7月25日に自身のFacebookに投稿した動画や文章によると7月24日夕、帰宅途中にパリ19区のカフェの前を歩いていたラゲールさんは、通りすがりの男から挑発的で屈辱的な、汚らしい言葉をかけられた。投稿でラゲールさんはこう振り返る。
「ついてなかった。その日、そういうこと(性的嫌がらせを受けること)は初めてではなく、うんざりしていた」
「私はこうした行動を容認しない。黙ることはできないし、黙ってはいけないのだ」
「これだけじゃない。ハラスメントは日常茶飯事だ。路上でのハラスメント行為が許されると思い込み、恥ずべき行為を自ら許し、攻撃せずにはいられない。そんな人間は受け入れられない」
この一部始終を、カフェの監視カメラが録画していた。
ラゲールさんと男が通りすがった際、男が何かを言い、ラゲールさんが振り向いて何かを言って歩き去った。男はそのまま歩いていった後、突然カフェのテーブルの灰皿をつかみ、ラゲールさんに投げつけた。
さらに、急ぎ足でラゲールさんに追いつき、カフェの客たちが見ている前で顔面を殴りつけた。
席にいた男性たちが一斉に立ち上がり、去ろうとする男性を追いかけて抗議したが、男は何かを言い、去っていった。
監視カメラの動画は、ラゲールさんの「こんな行為はもう終わらせるべきだ」というメッセージとともに、Twitterやメディアを通じて拡散した。
目撃者たちがさほど反応しなかったという批判に対しては、ラゲールさんはこう言ってかばう。
「すべて短い間に起きて、状況を理解する時間がなかった。攻撃した男は危険だった。この後、とても支えてくれた。目撃者たちに制裁を与えないでほしい」
フランスでは、政府が路上でのセクハラ行為について罰金を科す法律の成立を2018年中に目指していたさなかの出来事だった。捜査機関は公開捜査にしているが、男はまだ見つかっていないという。