かぼちゃの「ジャック・オー・ランタン」や秋のリースなどのデコレーション、テーブルアイデアや手作りのお菓子。ハロウィンを家で楽しむためのヒントをご紹介します。
日本でも徐々に親しまれてきているハロウィン、その由来はアイルランドの収穫祭とお祓いの儀式です。仮装をして楽しむだけではなく、歴史的背景をちょっと知ったり、家でできることを工夫したりして、大人も子供もハロウィンという秋の行事をインテリアやテーブルに取り入れて楽しんでみましょう。
古代ケルト人の秋祭り
ハロウィンは、大人も子供も楽しめる秋のイベントとして定着してきました。由来は古代ケルト人の秋の収穫祭と悪霊払いの儀式です。ハロウィンの行われる10月31日は、古代ケルト人の一年の最後の日。死者の霊が家族のもとを訪れるために戻ってくる日とされていました。
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ハロウィンの仮装の意味
この日は亡くなった先祖の霊や精霊だけではなく、悪霊も一緒に降りてくると信じられていて、地上に降りて悪いことをしたり、子供をさらったりするといわれていました。そこで魔物のふりをして、悪霊から身を守り、追い払っていたのだそう。これがハロウィンの仮装の始まりです。
子供たちは仮装しながら "Trick or Treat!"(お菓子をくれなかったらいたずらしちゃうぞ)と言いながら家をノックして歩きます。そんな姿を見ることが、ここ数年イギリスでも増えてきました。
かぼちゃのジャック・オー・ランタン
ハロウィンといえば「ジャック・オー・ランタン」がメインキャラクターといってもいいでしょう。もともとはかぼちゃではなく、かぶだったともいわれます。アイルランドからアメリカへ移住者が増えるにつれ、アメリカで手に入りやすく作りやすいかぼちゃに変わっていったそうです。
大きなかぼちゃが店頭に並ぶと、秋の深まりを感じ、ハロウィンを楽しむ気持ちにスイッチが入ります。ジャック・オー・ランタンを子供たちと一緒に手作りする家庭も多いです。
顔の部分はステンシルなどを使ってデザインできます。単純な表情からアートといってもよいほど難しい顔まで、レベルを選んで作ることができます。お店に行くと、中のかぼちゃの種をすくうミニシャベルや、かぼちゃを細工するのに便利なミニナイフなどのグッズも充実していて「作ってみようかな」と意欲を掻き立てられます。
秋色のハロウィンリース
リースといえばクリスマスを思い浮かべがちですが、実は季節ごとに楽しめるフラワーアレンジのひとつです。ちょっと地味なダークな色合いでハロウィン仕様のリースを作り、玄関などに飾ってみてはいかがでしょう。
写真は私が作ったものですが、庭のベリーアイビーをベースに、落ち着いた色合いの草花をフローラルフォームに刺して、リースに仕上げました。ハロウィンのシンボルともいえるミニかぼちゃをポイントにしています。割り箸などしっかりしたスティックを刺して、適当な長さに折って使っています。
お化けたちが「大歓迎?」と勘違いして、家の中に入ってきてしまうかもしれませんね(笑)。このサイズのかぼちゃが手に入らなくても、みかんや柿など、秋らしい果物や野菜で代用しても、素敵な秋のリースになるでしょう。
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お化け屋敷風、蜘蛛の巣デコレーション
家の中のハロウィンデコレーションも、毎年楽しい年中行事。柔らかいナイロンなど、伸びる素材のわたやネットを鏡や窓に這わせるように飾ります。これだけでぐぐっとお化け屋敷風の演出に近づきます。家族だけではなく、家の外を通る人が見ても楽しんでもらえるような工夫で、ハロウィンを盛り上げるのも楽しいでしょう。
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カラフルなガーランドを飾って
楽しいお化けのパーティーをさらに盛り上げてくれるのは、こんなカラフルなガーランド。部屋の中に飾るだけで、いつもの空間が一気にパーティー会場に変身です。最近はこうした小物もかなり種類豊富になっているので、リサーチしてみると楽しいです。
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ハロウィンパーティーのテーブル
家で気軽に楽しめるハロウィンパーティーのテーブルもトライしてみませんか? オレンジと黒を色づかいの基本にすると雰囲気を作りやすいですが、まずは家にあるもので試してみてください。パーティーを彩るグッズが家の中にひとつでもあると、ハロウィンをもっと楽しみたい!と思うきっかけになるはずです。ここでは、キャンドルホルダーや置物、オレンジ色に染めた木の枝などを置いてみました。
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こんなカジュアルな紙ナプキンや紙皿でも、かなりハロウィンの雰囲気を演出できます。種類も豊富に見つかります。
こういったグッズは、毎年ハロウィンが終わると半額以下の値段で売られることもあります。そんなときに好みのものを見かけたら、ちょっと気が早いですが来年の分を買うのもいいかもしれません。賢くイベントを楽しむコツです。
各グラスにオレンジ色のナプキンと、にっこり優しすぎる顔のジャック・オー・ランタンで、一人分のテーブルをセットしました。怖いものを飾るはずのハロウィンですが、こんな笑顔だと和んでしまいますね。
奥に見えるのは「トフィー・アップル」というお菓子。日本のりんご飴とちょっと似ています。イギリスにはりんごの木があるお宅がたくさんあり、秋の味覚のひとつとして欠かせないもの。今回はこのお菓子、仮装した子供たちが "Trick or Treat!"と言いながら我が家に来るときのためによく用意する、手作りトフィー・アップルのレシピをご紹介します。
ハロウィンのお菓子、トフィー・アップル
楽しいパーティーにもぴったりな、この季節ならではのスイーツです。
材料
小さめのりんご 6個前後
上白糖 400g
水 100ml
酢 小さじ1
ゴールデンシロップ 大さじ3〜4
※ゴールデンシロップは糖蜜の一種で、インターネットで購入できます。本場の味を再現するには入れることをおすすめしますが、省いても作ることができます。
作り方
1. ボウルにたっぷりの熱湯を入れ、りんごを入れて1〜2分したら取り出し、キッチンペーパーで水気を拭き取る。
2. 割り箸を半分ぐらいに折り、りんごに刺しておく。
3. 鍋に砂糖、水を入れて弱めの中火でゆっくり溶かす。
4. 3の中にゴールデンシロップ、酢を入れて強火にして高温にする。このときに温度が低いと、りんごにトフィーがつかないので注意しましょう。目安は冷たい水にスプーンひとさじを落としてすぐに固まるかどうか。カラメル状になった液体の色が少し茶色に変化していることも目安になります。
5. 4の鍋を斜めにして、2を中に入れて回転させて全面にカラメルをつけます。食材がくっつかないクッキングシートの上にのせ、冷まして固めます。
残ったカラメルを処分する際は、大きめのトレイにオーブンシートを敷いてその上に流して固めてから処理しましょう。そのまま流すと詰まりの原因になるのでご注意を。
ウェルカムドリンクはウィットを効かせて
ドリンクもパーティーの雰囲気づくりに役立ちます。オレンジ色の飲み物をグラスに注いで「魔女になれる怪しいドリンクです」とサーブしても。トマトジュースがベースのものなども、ハロウィンにぴったりかもしれません。そんなふうに考えると、料理や飲み物もいろいろ工夫できそうです。
色づかいだけでも雰囲気アップ
ハロウィンの雰囲気は、特別なグッズを使わずに、こんなふうにさりげなく演出することもできます。オレンジとブラックの定番ハロウィンカラーのテーブルクロスだけで、かなり雰囲気が出ますね。楽しむ気持ちがあれば、雰囲気づくりはいくらでも工夫できそうです。家の中を見回してみると、意外な小物が使い回せるなど、楽しい発見があるかもしれません。
歴史のあるハロウィンという行事は、今やいろいろな国で楽しいイベントとして広まっています。お化けたちもこの日だけは人気者。身近なアイデアで、今年はおうちでワクワクドキドキのハロウィンを心ゆくまで楽しんでみてください。
(2017年10月14日 Houzz「インテリアで、テーブルで。今年のハロウィンは家で楽しもう!」より転載)