ミラノ・ファッション・ウィークのグッチのショーで、「拘束衣」を着たモデルがベルトコンベヤーに乗って登場。これに対し、出演したモデルが抗議した。
モデルのアイーシャ・タン・ジョーンズさんはショーに参加したが、その際両手に「メンタルヘルスはファッションじゃない」とのメッセージを書き、ランウェイ上でみんなに見えるように掲げた。
ジョーンズさんはその後、Instagramにランウェイでの動画をメッセージと共に投稿した。
「自身でもメンタルヘルスに苦悩したアーティスト・モデルとして、そしてうつや不安障害、双極性障害や統合失調症に苦しむ家族や大好きな人がいる立場として。グッチのような大手のファッション企業が、このようなイメージを一瞬の話題作りの構想として使うのは、無神経で人を傷つける行為です」と綴った。
そして、「グッチがこの拘束衣(的な)や精神病患者を示唆するような洋服を着て、ベルトコンベアーから食肉のように流れ出すようなイメージを使うのは、悪趣味です」と加えた。
「この資本主義社会の中で、人々の苦悩を洋服を売るための小道具として利用することは、世界中でメンタルヘルスに苦悩する何百万人の人々に対しての想像力に欠け、下品で、侮辱的です」
グッチの炎上は、これが初めてではない。2月にも、黒のセーターが「ブラックフェイス」を想起させ、黒人差別的と批判を受けた。
また、バーバリーは2019年ロンドン・ファッション・ウィークで「首吊り縄」のようにあしらわれた紐のついたパーカーを発表し、モデルから問題提起があった。その際、声を上げたモデルのリズ・ケネディさんは、「自殺はファッションじゃない」とのメッセージをInstagramに投稿。バーバリーはその後謝罪し、製品をコレクションから外した。
今回のジョーンズさんの抗議を受け、グッチはInstagramで今回の拘束服的なデザインについて説明した。
「ユニフォーム、拘束服を含む、制服や実用的・規範に従う服を今回のショーに取り入れたのは、社会が強いる最も極端な形、そしてそれをコントロールする人々を象徴しています」と述べられている。
また、グッチの広報がハフポストUK版に発表した声明では、「ショーは、今の社会は個人を規制してしまう能力があり、グッチはその解毒剤になれることを表現しています。これは、服従から自由、そして創造性への旅路を描くものです」と述べた。
少しでも自殺を考えてしまったり、周りに悩んでいる人がいる人たちなどに向けて、以下のような相談窓口があります。
0570-064-556
ハフポストUK版の記事を翻訳・編集しました。