「最も弱い人に食料が届くように」。新型コロナでカナダのスーパーが「高齢者専用時間」を設置

高齢者が確実に食料品を購入できる取り組みが広がっています

新型コロナウイルス対策で世界的に自主隔離などが広がるなか、スーパーでは品不足が続き、生活に必要なものが買えない状況が起きている。

食糧品棚は空になり、パスタやスープ、お米といった生活必需品が手に入らない。トイレットペーパーの買いだめも問題になっている。 

こういった状況の中で、カナダでは一部のスーパーマーケットが「高齢者専用時間」を設けて、高齢者が確実に食料品を手に入れられるような取り組みをしている。

ブリティッシュコロンビア州キティマトにある「Kyle’s No Frills」は、商品が新たに搬入され、店舗の消毒が済んだあとの3月16日、朝8時からの時間を高齢者専用の時間としてオープンした。

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CORBIS VIA GETTY IMAGES

オーナーのカイル・マクギレブレーさんは、新型コロナウイルスで重症化リスクの高いのは高齢者であること、そして食料品店の品不足が問題になっていることを知ってこのアイディアを思いついたという。

「高齢の人たちが、安心して買い物できるようにしてはどうだろうか、一番弱い立場にいる人が最初に必要なものを購入できるのでは、と思ったんです」とマクギレブレー氏はハフポストカナダ版の取材に答えた。

高齢者専用時間には、約100人の高齢者たちが買い物に訪れたという。多くの人たちから感謝され、こういう場所を何より必要にしていたと話した人もいた、とマクギレブレー氏は語る。

WHOによると、高齢者たちは新型コロナウイルスに感染すると、最も重症化しやすいグループだ。

「この状況に一番怯えている層の人たちがいます。彼らがお店にきて、必要なものを買うことができたら、安心できるだろうなと思いました。うちのお店にはトイレットペーパーもありますしね」とマクギレブレーさんは話す。

ウイルスの影響やコミュニティのニーズを見ながら、もう一度高齢者専用時間を実施する予定だ。

同じような取り組みは、カナダ各地で広がっている。

アルバータ州にある「Sobeys High River」は、火曜日の午前6時〜午前8時までを高齢者や基礎疾患のある人専用の買い物時間にした。

ドラッグストアチェーンの「Shoppers Drug Mart 」やスーパーマーケット「Lablaw」も、いくつかの店舗で、店が混み合う前の早朝の時間を高齢者や障がいのある人専用にすることを明らかにしている

ハフポストカナダ版の記事を翻訳しました。

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