ホワイトハウスを去るトランプ大統領に、環境アクティビストのグレタ・トゥーンベリ氏が皮肉たっぷりのメッセージを送った。
トゥーンベリ氏は1月20日、大統領専用ヘリコプターに乗り込むトランプ氏の写真をTwitterに投稿。
「彼は明るくて素晴らしい未来を楽しみにしている、とても幸せな高齢男性のようだ。彼を見ることができてよかった!」というコメントを書き込んだ。
このコメントは、トランプ氏のセリフをそのまま引用したものだ。
トゥーンベリ氏は2019年9月に開かれた国連気候サミットで、各国のリーダーに対して「多くの人たちが苦しんでいます。全ての生態系が破壊されています。それなのにあなたたちが話しているのは、お金のことばかり。恥ずかしくないんでしょうか!」と怒りを見せながら力強く訴えた。
これに対し、トランプ氏は「彼女は明るくて素晴らしい未来を楽しみにしている、とても幸せな少女のようだ。彼女を見ることができてよかった!」とからかうようなコメントを投稿した。
トゥーンベリ氏はこの時にもトランプ大統領の皮肉を逆手にとり、Twitterのプロフィール欄を「明るくて素晴らしい未来を楽しみにしている、とても幸せな少女です」と書き換えているが、ホワイトハウスを去るトランプ氏への最後のメッセージとしても、この言葉をそのまま返したことになる。
トゥーンベリ氏がトランプ大統領の皮肉を、そのまま引用したのは今回が初めてではない。
同氏は2020年11月、アメリカ大統領選挙での不正を主張するトランプ大統領が「集計を止めろ!」とツイートした際に、「本当にばかげている。ドナルドはアンガーマネジメントをしてから、友人と懐かしの映画でも見に行くべきだ!落ち着けよドナルド、落ち着け!」とツイートした。
このセリフも、トランプ大統領が2019年12月にトゥーンベリ氏がTIMEの「今年の人」に選ばれた際に投稿したコメントをそのまま引用したものだ。
環境問題を訴え続けるトゥーンベリ氏に対し、トランプ氏は大統領任期中に何度も馬鹿にするような態度をとってきた。
トランプ氏は気候変動を「信じない」という姿勢をとり、地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」から離脱したが、新大統領のバイデン氏は、環境問題を政権の優先事項に掲げており、パリ協定への復帰を表明している。