ラグビーフランスリーグ「TOP14」、RCトゥーロンの五郎丸歩が現地時間10月8日(土)に行われた対ラ・ロシェル戦でリザーブメンバー入りを果たした。残念ながら、試合には出場しなかったが、デビューが間近に迫ったと言えるだろう。
五郎丸はスーパーラグビーのレッズからRCトゥーロンに移籍したが、今年の5月に肩を負傷。8月のリーグ開幕には間に合わず、これまで出場機会がなかった。しかし、ケガも癒え練習を再開すると、ラ・ロシェル戦で23人の試合メンバーに選出された。
RCトゥーロンは、各国の代表選手が数多く在籍するラグビー界の"銀河系軍団"。この試合はFB(フルバック)のリー・ハーフペニー(ウェールズ代表)が、今週から始まる「ヨーロピアンラグビーチャンピオンズカップ」のため温存され、ジェームズ・オコナー(元オーストラリア代表)が先発。五郎丸に出場のチャンスがあるかと思われた。
ホームのラ・ロシェルが2位、RCトゥーロンが3位の上位対決は、満員の観客が見守る中、序盤は一進一退の攻防が続く。
先制したのはラ・ロシェル。14分、22分のPG(ペナルティゴール)で6-0とリード。しかし、34分にはRCトゥーロンがPGを返し、6-3で前半を折り返した。そして後半に入ると、RCトゥーロン、ラ・ロシェルが1本ずつPGを決め、9-6。その後、12分にこの試合の初トライをRCトゥーロンが奪い、9-11と逆転に成功した。
さらに24分、SO(スタンドオフ)ピエール・ベナールがDG(ドロップゴール)を決め、9-14とRCトゥーロンがリードを広げるが、28分、ゴール前のターンオーバーからラ・ロシェルがトライを奪い、14-14と再び同点。さらに37分には、PGを決めて17-14とラ・ロシェルが再逆転する。
最後は終了間際にRCトゥーロンのベナールが長い距離のPGを決めて、17-17の同点に追いつき終了。試合前にディエゴ・ドミンゲス ヘッドコーチが「20分ぐらいプレーさせるかもしれない」と語っていたが、ロースコアの接戦となったため、五郎丸に出場機会は訪れなかった。
この試合を解説した元日本代表の大西将太郎氏は、五郎丸について「残念、見たかった」と語った後、「出場できなくても、ベンチに入ってTOP14のフィールドの雰囲気を肌で感じることができたのは良かった。特にキッカーにとっては大事」とポジティブに捉えた。
五郎丸が今後、活躍するためのポイントを聞くと「ディフェンスの部分。タックルで最も大事な肩を痛めたので、恐怖心なくワールドカップの時のようなタックルが出来るかどうか。あとは実戦経験を詰んで感覚を取り戻せばいけると思う」と話した。
RCトゥーロンはこの後、10月15日・21日とチャンピオンズカップを2試合戦った後、リーグ戦の次節第9節は現地時間の29日(土)。下位に沈むグルノーブルをホームに迎えるだけに、この試合が五郎丸のデビュー戦となる可能性もある。
また、11月は「ウィンドウマンス」と呼ばれ、世界中で各国代表の親善試合が行われる月。この期間はFBのレギュラーであるハーフペニーはチームを離れ、ウェールズ代表に参加する予定。五郎丸にも出場機会が巡ってきそうだ。
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