今日10月28日のGoogleのトップページには、「ありがとう、ソーク博士」というメッセージと笑顔で走り回る子供たちの姿が描かれている。
今日は、ポリオ(小児麻痺)のワクチンを開発し、世界の多くの子どもを麻痺から救ったソーク博士の生誕100周年だ。
そして、ソーク博士の夢は今、まさに実現しようとしている。それも、日本がその鍵を握っている。
ポリオ根絶計画が始まった1988年当時に比較して現在ポリオは99%も減った。そして最も制圧が困難であると見られていたインドでは、今年3月にポリオを制圧した。
今やポリオ野生株の流行国は、パキスタン、アフガニスタン、ナイジェリアの3カ国に限定されている。しかし、何事も最後の最後での段階が最も難しい。なぜならば、ポリオ根絶は、ワクチンさえ手に入ればすむ話ではないからだ。
ワクチンの質を保つための冷蔵庫、接種をする保健師、道なき道を行き、山道を登り、一軒一軒子供たちにワクチンをするための手段、そして、接種記録や発症例のサーベイランスなど、保健医療システムへの支援が大切だ。
さらに、治安の確保。そして、政治的信頼だ(先日も保健師がテロで殺害されるという痛ましい事件がおきた)。
ここで日本がその存在力を発揮している。
10月24日の世界ポリオデー(JIGH主催)では、世界の子どもたちのためにポリオ根絶を目指す議員連盟をはじめ、WHO、JICA、米国開発庁、国際ロータリー、ビル&メリンダ・ゲイツ財団等の世界の関係者が集まった。
10月24日世界ポリオデーシンポジウム(於 衆議院第議員会館国際会議室)
そこで繰り返し述べられたのは、我が国に対する期待だ。現在のポリオ常在国における日本の信頼は絶大だ。日本からの支援でなければ拒絶される可能性も高かった。
なぜ日本がポリオ根絶に関わらなくてはならないのか?
今、現在エボラ出血熱が西アフリカで猛威を振るっている。先進国にも感染者が出現し、世界的パニックの様相を呈している。
感染症は国境を容易に越えるからだ。それは自分たちの問題でもある。
エボラ出血熱が世界的な広がりを見せる今、世界は日本の力を求めている。