2019年10月、Googleはデジタル生活改善を目的とした実験アプリ群を公開し、通知受信箱や端末をアンロックするまでの時間を測定するツール、さらにはスマートフォン上の必要な情報を印刷してそれ以上端末を見なくてすむためのツールなどを紹介した。今回披露された ユニークなアプリ3種は、スクリーンタイムを監視する「スクリーン・ストップウォッチ」、スマートフォンの使用時間をバブルで視覚化、そして「スマートフォンを封筒に入れる」。ちょっと待て、なんだそれは?
Envelope(封筒)はジョークではない。ロンドン拠点のデザインスタジオであるSpecial Projectsが作った最新の創作だ。彼らはすでにスマートフォンの情報を印刷するアプリ、Paper Phoneを開発していて、昨年GoogleがDigital Wellbeing Experimentsプラットフォームを公開した際に発表した。
同社の新作アプリ、Envelopeは、通話を発信、受信したり、カメラで撮影するなどスマホの基本機能だけを使うためのツールだ。ただし、それをそのカスタムデザインされた紙の封筒で実現している。Google Pixel 3a端末用の PDFをダウンロードして印刷し、切り抜いて折ってのり付けする。端末を入れると前面にテンキーがあるので、必要なら電話をかけることはできる。専用アプリがボタンを光らせて紙の上から見えるようにしている。
Envelopeは、どちらかというとデザイン実験であって実用ツールではない。タッチスクリーンは紙越しでも使えるが、端末を1日中紙で包んでおくのは間違いなくものごとを複雑にする。例えば、誰かの電話番号を調べたい時(昨今誰も番号を覚えていないので!)や道順を調べたいときなどなど。しかし、これを使えば封筒を破るまでどれだけ我慢できるかのチャレンジができると思う。
別の新アプリであるActivity Bubblesは、その日にスマホをアンロックするたびに新しいバブルを作る。バブルは端末を使う時間が長ければ長いほど大きくなる。バブルはライブ壁紙に設定できるので、スクリーンタイムをリアルタイムで監視できる。
Screen Stopwatch(スクリーン・ストップウォッチ)は、アンロックするたびにその日どれだけスマホを使ったかを時、分、秒で表示する。これもライブ壁紙にできるので、利用時間が増えていく様子を1日中見ていることができる。
あとの2つのアプリはGoogle Creative Labが開発した。昨秋公開された多数のアプリも同様だ
当時Googleは、Digital Wellbeing Experiments(スマホ使いすぎを防ぐ実験)の目標はデザイナーやデベロッパーが技術を開発する際、常に健全な利用を念頭に置いてもらうことだと説明していた。実験の一部は「かなり独特」(スマホを入れる封筒など)だが、全体としての目的はこれをメインストリームのアプリにすることではなく、スマホやスマホ中毒について人々に真剣に考えてもらうことだ。Googleをはじめとする大手IT企業の多くがこの分野で改善できることを見つけようと力を入れている。「ひと休みしたら」と声をかけて、フィードに「熱中しすぎた」人に注意を促す機能や、スクリーンタイムを減らすためのアプリ、気を散らされる通知を停止したりする機能などだ。
Digital Wellbeing Experimentsプラットフォームは、作品の投稿を受け付けているがサイトに追加される前にレビューがあり数週間かかることがある。アプリは最近のAndroid端末で動作する。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook )
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