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公共放送NHKでは、ゴールデンウィークという言葉を基本的に使ってないことをご存じでしょうか。その理由を調べてみると、あるクレームが関係していたようです。
■観光客のセリフ以外では「ゴールデンウィーク」という言葉が出てこないNHKの記事
NHKニュースのウェブを見ると、よく使われているのは大型連休という言葉ばかり。ゴールデンウィークという言葉は、ごく稀にしか使われていません。
たとえば、5月1日の名古屋城に関する記事を見ると、観光客の「やっぱりゴールデンウィークだなと思いました」という言葉の中で1カ所だけ使われているものの、その他の解説部分の3カ所ではいずれも「大型連休」でした。
■視聴者の疑問に答えるコーナーに答えが載っていた
一般に普及している「ゴールデンウィーク」という言葉を公共放送が使わないのは不自然です。そう思って調べてみると、NHK放送文化研究所の公式サイトに詳しい理由が書いてありました。視聴者などの疑問に答えるコーナーで、2010年5月に掲載されたものです。
そこでは「ゴールデンウイーク(原文ママ)と大型連休、どちらを放送で使う?」という質問に対して「原則として大型連休を使うことにしています」と回答。以下のような解説を続けていました。
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「ゴールデンウイーク」(黄金週間)は、連休で観客の入りがよかったため、この期間中に大作をぶつけるようになった映画界が、宣伝も兼ねて作り出したことばで、昭和27~28(1952~53)年ごろから一般にも使われるようになったようです。
しかし、1970年代の「石油ショック」以降、「のんきに何日も休んではいられないのに、なにがゴールデンウイークだ」といった電話が放送局に何本もかかってくるなど抵抗感を示す人が目立ってきました。
また、「外来語・カタカナ語はできるだけ避けたい」「長すぎて表記の際に困る」など、放送の制作現場の声もありました。そのうえ、週休2日制の定着で前後の土曜・日曜を加えると10日ぐらいになることもあり、ウイーク(週間)も的確な表現ではなくなってきました。
このため、放送では原則として「ゴールデンウイーク」は使わず、「大型連休」を使っています。
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どうも、ゴールデンウイークを使わなくなった一因には、石油ショック以降に不景気となった日本で、連休中も働かざるを得ない人々からクレームがあったことが背景にあったようです。
■ゴールデンウィークの名付け親は映画業界の人間?
なお、ゴールデンウィークの語源には諸説ありますが、映画業界が宣伝のために編み出したという説が有力です。1986年4月12日の朝日新聞夕刊は、元大映専務の松山英夫さんの訃報記事を掲載。この中で1951年に「自由学校」を松竹と競作した際、松山さんが5月の連休を「ゴールデンウイーク」と名付けたと報じています。