アメリカ映画界の一大イベント、ゴールデングローブ賞の発表・授与式が1月7日、アメリカ・ロサンゼルスで開かれた。
レッドカーペットを華やかなドレス姿の俳優らが歩く光景でおなじみだが、今年は様相が一変。ハリウッドで相次いで発覚したセクハラ問題を受け、エマ・ワトソンやナタリー・ポートマン、二コール・キッドマンらが黒いドレスをまとい、抗議の意思を表明した。CNNなどが報じた。
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「私にとって、これは一つになることです。それは連帯であり、女性たちがコミュニケーションし、互いに励まし合った結果生まれたものです」。黒いドレス姿のエマ・ワトソンはそう語った。
彼女のように黒い衣装をまとった俳優らは約300人にのぼった。きっかけは2017年秋、大物映画プロデューサーのハーベイ・ワインスタイン氏によるセクハラ行為の発覚だった。
彼は長年にわたって複数の女優らにセクハラ行為を繰り返していた疑惑をニューヨークタイムズが報道。これをきっかけに、映画界だけでなく、政界やスポーツ界などでも被害の「告発」が相次ぎ、「#Me too」(「私も」の意味)という運動に発展した。
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こうした動きを受けて、女優のエマ・ストーンらが、再発防止に向けた制度づくりや被害者の救済などを進める新たな取り組み、「#TimesUp」(「もうおしまい」の意味)も始めた。黒いドレスの着用もこの一環だった。
アメリカのインターネットメディア「E!ニュース」によると、メリル・ストリープは次のように語ったと言う。「人々は今、権力の不均衡に気づいているし、それが性的虐待にもつながっている」「権力の不均衡は、私たちの業界だけでなく、主婦や軍、議会、ありとあらゆるところで起きている性的虐待も引き起こしている」