【合わせて読みたい】「若者にとって身近な選択肢になりたい」今井瑠々さん、25歳で衆院選に挑む理由
2021年の衆院選で、立憲民主党の候補者としては全国最年少の25歳で立候補して落選した今井瑠々(いまい・るる)氏が同党を離党し、自民党推薦で県議選に出馬する意向を示した。多くの支持者や支援団体にとっては寝耳に水で、波紋が広がっている。今井氏の支援団体「今井るるサポーターズ」は7日、「今井さんごめんね。苦しい中支えきれなくて」と苦渋の思いを吐露しつつ解散を発表した。
■衆院選で落選も、出身地の多治見市では自民党ベテランより票を集める
今井氏は2021年10月の衆院選で、出身地の多治見市を含む岐阜5区から立憲民主党公認で立候補した。当時、被選挙権を得たばかりの25歳。ハフポスト日本版のインタビューに「若者にとって身近な選択肢になりたい」と訴えていた。
結果は、自民党のベテラン・古屋圭司氏が8万2000票余りを得たのに対し、今井氏は6万8000票あまりと競り負けた。出身地である多治見市では古屋氏の票を上回ったことで、自民党にとっては大きな脅威となっていた。
■「大どんでん返しで中に入れた」との自民党関係者の声も
今井氏は落選後も、立憲民主党岐阜県第5区総支部長として、次回の衆院選で雪辱を果たすために活動を続けてきたが、年明けの動向が支持者らを驚かせた。
今井氏は1月7日に公式Twitterを更新し、「本日、立憲民主党の泉健太代表に離党の意向をお伝えし、離党届を本部へお送りいたしました」と発表。4月9日に投開票される岐阜県議選に「無所属の自民党推薦にて出馬予定」と報告した。定数2の多治見市選挙区となる予定。13日の自民党県連の選挙対策委員会で正式決定した後、今井氏が記者会見する予定だ。
朝日新聞デジタルは「(衆院選で競り勝った)古屋さんは、今井さんを何とかしておかないといけないと思い、大どんでん返しで中に入れたのだろう」という自民党関係者の声を伝えている。
■今井氏の行動にショックを受ける人も
今井氏は自民党の推薦を得る理由を「自民系の議員として地域密着で活動することで、いち早く子育て支援や地域活性化に関する予算・政策を実現させたいという想うようになりました」(原文ママ)とTwitterで説明。「立憲民主党で国政を目指し応援いただいていた皆様に深くお詫び申し上げます」と謝罪している。
しかし、今井氏の行動には批判の声が広がっている。立憲民主党の大串博志選対委員長は8日の声明の中で「突然かつ一方的な離党の意思表明は、極めて遺憾であり、残念であると言わざるを得ない」と断言。
自民党推薦での県議選出馬の意向についても「多くの党員、協力党員、パートナーズ、支援者・支援団体の皆さんの期待を二重に裏切る背信行為であり、有権者の理解が得られるものではない」とした。「我が党としては、今回の今井瑠々氏の、このような許されない行為を厳しく非難する」などと結んでいる。
今井るるさんの支援団体「今井るるサポーターズ」も7日に解散を発表。今井氏から報告を受けたのがごく最近だったことを明かした上で、連続ツイートの中で「今井さんごめんね。苦しい中支えきれなくて、本当に申し訳ない。しかしながら、今井さんの判断は受け入れることは難しく、ショックでした」と思いを打ち明けている。