6月1日から採用選考が解禁され、約1か月が経過した現在。Z世代は就活にどのように向き合っているのだろうか。
Z世代向けの企画・マーケティングを行う「僕と私と株式会社」は、全国のZ世代の就職活動経験者600人を対象に、就活に関する意識調査を実施。
調査結果から2022年に大学(大学院・短期大学・専門学校を含む)を卒業した「22卒」から、就活真っ最中の「25卒」までの4世代の比較結果を一部抜粋し、「就活の今」をひもといていく。
【調査概要】
対象:2022年~2025年に大学・大学院・短期大学・専門学校を卒業した、または卒業する予定で、就職活動の経験がある全国の20~27才
調査期間:2024年5月7~9日
調査方法:インターネットを利用したアンケート
調査有効回答数:600人(22卒146人、23卒146人、24卒140人、25卒168人)
企業の発信は、SNSと情報サイトの二刀流が有効
就活生が情報源として活用しているものを聞いたところ、どの世代も1位は就活情報サイト、2位は各企業のホームページという結果だった。
なかでも、22卒はコロナ禍の中で就活が行われたためか、「就職情報会社等主催の就活イベント(17.8%)」「大学内で開催された就職イベント(10.3%)」が低いのに対し、23卒以降はリアルイベントも増加傾向にある。また、25卒は「志望する企業の人事」を挙げた回答者が14.3%と、24卒と比較すると倍近いスコアまで増加した。
また、職場の雰囲気を伝えるツールとして、多くの企業が取り組んでいるSNSについて25卒の就活生に聞いたところ、会社に興味を持つ、会社の社風を知る手段として活用されていることがわかった。
一方で、信頼獲得においては意見が分かれ、就活生から信頼を得るには、ホームページや就活情報サイトなどの情報源も引き続き充実させることが重要と言えそうだ。
Z世代就活のキーワードは「安心・安定」
会社選びにおいて重視することについて聞いたところ、どの世代でも「福利厚生や補助などが充実している」が最も多い回答となった。
また「企業の安定性が高い」も22~24卒で20%以上、25卒も19.6%が挙げておりZ世代の就活において、「安心・安定」が重要なキーワードとなっているようだ。そのほかには「好きなことや興味があることで仕事ができる」「事業内容に興味がある」も全世代で重要視されており、自身の興味関心と仕事が直結することが、会社選びの軸となっている。
就活に関する悩みについては、「面接に自信がない」が全世代で1位となった。そのほか、「就職先のリアルがわからない(雰囲気、仕事量など)」「志望する企業や就活の情報がなかなか得られない」などの情報収集に関する悩みが比較的上位に挙がってくる傾向が見られた。
日系と外資、大手とベンチャー。人気なのはどっち?
1社目に就職したい企業に関しては、すべての世代で日系企業が6割以上を占める優勢となった。
また、1社目に働きたい会社の企業規模に関しては、比較的大手企業を希望する回答が多く、Z世代の安定感を求める傾向が、ここでも要因の1つとしてうかがえる。
しかし、25卒の世代からは特筆すべき変化も起きている。
1社目に働きたい会社の企業規模に関して、25卒の世代はベンチャー企業やスタートアップを挙げた層が半数に迫る44.6%となり、今後の動向に注目を集める結果となった。
また、キャリアにおいて「スペシャリストとして特定の職種で専門性を極めたい」という考え方と、「ゼネラリストとして幅広い職種を経験したい」という考え方のどちらに近いかを聞いた質問では、22卒~24卒では過半数がスペシャリストとしての働き方を希望していたのに対し、25卒は51.8%がゼネラリストとしての働き方を希望しており、わずかながら25卒が他の世代とは違う特徴を見せる結果となった。