1990年代後期から2010年頃までに生まれた「Z世代」と呼ばれる若者たちが、働き手として社会に進出しつつある。
働き方やキャリアが多様化する現代、デジタルネイティブ世代とも呼ばれるZ世代のなかで、仕事における新たな傾向も生まれているようだ。
otalabでは、日本全国の社会人のZ世代727人を対象に「仕事・働き方に関する実態調査」を実施。調査結果を一部抜粋し、Z世代が考える仕事のリアルをひもといていく。
【調査概要】
・調査期間:2024年4月12日~2024年4月13日
・調査機関:株式会社アップデイト(自社調査)
・調査対象:47都道府県在住のZ世代男女
・有効回答数:727
・調査方法:インターネット調査(「Fastask」使用)
Z世代が企業選びで重視するポイントは?
調査では「現在の勤務先に満足していますか?」という質問に対して、3割以上が「満足していない」と回答。勤務先への不満(3つまで選択可)として最も多かったのが「給与が低い(36.6%)」、次いで「人間関係(21.3%)」という結果となった。勤務先に関して「不満はない」と回答した割合は16.9%にとどまり、Z世代の大部分が勤務先に何らかの不満を持っていることが明らかになった。
仕事を選ぶ際に重視したポイントについても、最も多かった回答は「給与」であり、次に「土日休み」「働き方(テレワークやフレックスを含む)」が続く結果となった。
第一に経済面を重視する傾向は、不安定な社会経済の中で生まれ育った背景を反映しているのかもしれない。
コミュニケーションは直接派?チャット派?
デジタルネイティブ世代とも呼ばれるZ世代は、チャットや位置情報の共有など、多様な形のコミュニケーションを駆使する傾向にあることでも知られている。
「会社での業務以外のコミュニケーションに関してどう考えていますか?」という質問に対して、最も多い回答となったのは「必要であれば取っても良い(45.7%)」という結果となった。また、「できれば取りたくない」「全く取りたくない」という回答の合計は全体の28.1%となり、一定数のZ世代は社内での業務以外のコミュニケーションに対して前向きではないことも明らかになった。
社内の人とのコミュニケーションの方法については、「直接派」が約6割、「チャット派」が約3割、「電話・オンライン派」が約1割という結果となり、SNSの利用等で文面でのやり取りに慣れているZ世代ならでは傾向が垣間見えた。また、働き方についても、全体の3割以上が「リモートワークで働きたい」と考えていることが分かった。
勤続年数に関して「今の勤務先で3年以上働く予定ですか?もしくは働いていますか?」という質問を行ったところ、約2割が「3年以上働く予定ではない」という回答。また「分からない」という回答も約2割という結果になった。フリーランスや転職が一般的になり、勤続年数よりも個人の技能が重視されつつある社会の動向を反映した結果と言えそうだ。