イスラエル国防軍(IDF)のダニエル・ハガリ報道官が、パレスチナ・ガザ区でイスラエル兵に誤射された同国の人質3人が、「S.O.S」を掲げて助けを求めていたと明らかにした。
ロイターによると、3人が射殺された場所から約200メートル離れた建物に、ヘブライ語で「S.O.S」「助けてください。3人の人質です」というメッセージが書かれた白い布が掲げられていた。
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メッセージは、食べ残しを使ったと思われる赤い文字で書かれていたという。
ハマスの人質になっていたヨタム・ハイム氏、サマル・タラルカ氏、アロン・シャムリズ氏の3人は12月15日、ガザ市近郊シュジャイヤで射殺された。
IDFによると、3人は爆弾を身につけていないことを示すためにシャツを脱ぎ、「白旗」として白い布を掲げて抵抗の意思がないことを示していた。
それにも関わらず、イスラエル兵が建物から出てきた人質に向けて発砲。2人は即死し、一度は建物の中に避難した3人目も、射殺された。IDFは、イスラエル兵の行動が軍の規定違反であることを認めている。
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タイムズ・オブ・イスラエルによると、人質3人はハマスから逃れた、もしくは見捨てられた後に、白い布が掲げられていた建物にしばらくとどまっていたとみられることが捜査からわかっている。
ガザ地区では、今なお130人近いイスラエルの人質がハマスに拘束されていると考えている。
ハイム氏らが殺害された後、イスラエル・テルアビブでは一時停戦や人質の解放交渉を求める抗議活動が起きた。
ハマスによる10月7日の攻撃で、イスラエルでは1200人以上が殺された。この襲撃に対するIDFの大規模報復攻撃で、ガザ地区ではこれまでに1万8000人以上が殺害されている。