世界40ヶ国、68拠点に展開するエゴンゼンダー。クライアントに名を連ねるのは、売上高1兆円以上の企業ばかりだ。金融・製造・サービス・IT...各産業を代表する内資・外資企業の経営者・経営陣に対し、人・組織領域に特化したコンサルティング支援を行っている。
「決して華やかな表舞台に立つわけではありません。ただ、経営者や経営陣を支えるブレーンとして、私たちにしかできないことがある」そう語ってくれたのがビジネスアナリスト・小川佳子さん(29)。エゴンゼンダーで広がるキャリアの可能性とは?
トップアプローチで、企業・組織の課題解決を抜本的に支援する
「企業価値向上」を実現する経営陣を、どのように創るのか?
たとえば、それが売上高1兆円規模の企業になれば、難易度の高さは想像に難くない。
さらに外部環境の変化が激しいVUCA時代(*1)。企業経営の難易度は高まり、経営陣の強化に伴う課題も複雑化している。多くの経営者が頭を抱える領域だ。
このような課題と向き合い、経営層に特化した課題解決支援を行うコンサルティングファームが、エゴンゼンダーである。
今回取材した小川佳子さん(29)は、同社でビジネスアナリストとして活躍する若手のホープ。
「企業にとって、経営戦略は言うまでもなく重要なもの。ただ、綺麗な絵が描かれているだけではクライアントにとって価値があるとは言えません。経営者が戦略を実行し、企業に変化が生まれる、そうして初めて、クライアントの価値になったと言えるのではないでしょうか」
クライアントへの提供価値に徹底的にこだわる。それがエゴンゼンダーのスタンスだ。
「私達は、経営の意思決定を行う経営者、そして経営陣に対しコンサルティングを行っています。数千人、数万人と組織の規模が大きくなればなるほど、経営者の質が企業の命運を左右すると考えているためです」
特に日本では、数年前からガバナンスを巡る動向や議論が加速。エゴンゼンダーに求められる役割は増す一方だ。同社が提供する価値、そして得られるキャリアに迫ってみよう。
(*1)Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧さ)から成る造語。不安定なビジネス環境を示す。
IQに加えて、EQ(心の知能指数)を
エゴンゼンダーの特色を語る上で欠かせない部分、それがクライアントとの関係性だろう。
「多くのクライアントと2年、3年をかけて信頼関係を築きます。中には10年、15年とお付き合いを続けるクライアントの方もいるほど。その中で、相手方の役職が取締役、社長、会長...と変わっていくこともあります。経営者の実現したい変革を支援する中で、”担当コンサルタント”の枠を越え、経営者と並走するパートナーのような感覚になっていく。そしてその先を見据える目線を持つ。当社に求められるのは、そういったことです」
当然、コンサルタント、ビジネスアナリストには知識やテクニカルなスキルが期待される。ただ、それだけでは不十分なのかもしれない。
「経営者に信頼されるパートナーになりえるか。総合的な人間力も重要だと捉えています。そういった意味ではIQと同じくらい、EQ(心の知能指数)が必要となります。これはエゴンゼンダーの選考においても、重視している要素の一つです」
その背景には、設立以来受け継がれてきたカルチャーがある。
「人や組織は一朝一夕では変わらない。だからこそ、きちんと時間をかけパートナーとしての関係性を築くことを重視します。まず、相手を一人の人間として理解することから始めます。経営者の方をインタビューし、その方の価値観や人柄まで理解する。時には4時間かけて行うインタビューがさらに伸びることもある程です」
IBMを経て。”人”の課題と正面から向き合えるフィールドを求めて
小川さんは新卒でIBMに入社。そこでは企業の人事・組織コンサルティングを手がけていた。そんな彼女が次の舞台にエゴンゼンダーを選んだ理由とは?
「IBMで過ごした5年間、人事コンサルタントとしての型を学ぶことができました。クライアント企業の人事担当者、海外法人で働く外国の人事担当者...色々な人と関わる中で強く感じたのが、 組織の中にいる ”人” そのものの重要性です」
どれだけ立派な戦略があっても、実行する一人ひとりの理解・共感が得られなければ、組織は変わることができない。
そんな企業を多く見る中で、”人”そのものへの関心がより深まったという。
「組織にいる、全ての人に働きかけることには限界があります。しかしトップに働きかけることができれば、企業の変革をより確度高く支援できると思いました。同時に、どのような人たちが実際に経営者として企業を支えているのか知りたい。純粋な好奇心もあったように思います」
そしてエゴンゼンダーへ。
「エゴンゼンダーのコンサルタントは、経営者のパートナーとして認められる存在。マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティング、A.T.カーニーなど、名だたる戦略ファームでの豊富なコンサルティング経験を有するコンサルタントも多くいます。通常、私達ビジネスアナリストは、そのようなコンサルタントとペアを組み、仕事を進めます。20代のうちから、このような人々と徒弟制度に近い環境で仕事をすることで、これまでになく高い視座を得ることができていると感じられます」
経営者一人ひとりと向き合う ―― 企業の変革を確実に推し進めるコンサルティングを求め、突き詰めた先の選択肢と言えるのかもしれない。
新しい景色を見せてくれる人との交流
小川さんは、コンサルタントとペアとして働く。そのスケジュールは、社長・会長といった経営者と議論をするアポイントで埋まる。
ただ、いきなり活躍できたわけではない。
「上司・同僚とのスキル・経験の差に圧倒されることばかり。私には、”型化されたサービスを基に、クライアントに届ける価値を発想する” という、プロダクトアウトの考え方が染みついていた。環境を移してそう気づくことができました」
外資系コンサルティングならではのUP or Outが脳裏をよぎることもあったのではないか。そのような質問を投げかけると、意外な反応が返ってきた。
「UP or Outですか...想像したことがありませんでした(笑)。エゴンゼンダーは、クライアントに対して『人選力』を強みとしたサービスを提供している。ですから、Outせざる得ないような方は自社でも当然採用しません。むしろ、社員の成長をとことん重視する会社。『学ぶこと』が当たり前の文化として根付いていて、ビジネスの領域を超えアカデミックな領域にも手を出したりと、成長意欲が強く勉強熱心な人が多いと感じます」
進むなら、「未来が想像できない方」へ
取材の最後に伺えたのは、小川さんの仕事観について。
エグゼクティブと対峙するプレッシャーや焦燥感、そして期待...彼女が背負う、目に見えない負荷は決して小さなものではないはずだ。
彼女を突き動かすものは何か?
「人や組織に関する興味関心、その領域で専門性を高めたいという思いは一貫してあります。しかし、常に変わっていたい、想像できない自分になりたい、という想いも常にどこかにあるのかもしれません。何かを選ぶ時は、より自分が変化しそうな方を選ぶ。好きな領域に夢中になれば、またその先の面白い世界が開ける気がするので。仕事は私にとって、未知の自分や世界に出会わせてくれる手段なのかもしれません」
新しいものをもっともっと見ていきたい、そう語る小川さんの瞳の奥には、確かな輝きがあった。
「エゴンゼンダーでは、得たい知識、スキル、経験機会...そういったものが処理しきれないぐらいあります。どこまで好奇心を刺激してくれるんだって思いますね。いつもお腹いっぱいの状態です(笑)」
入社してまもなく1年。彼女は、経営人材の評価や経営人材の外部招聘など、複数プロジェクトを受け持つ。”クライアントのパートナーになる” という使命に向かって。彼女の挑戦は続いていくーー。
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