G20が閉幕 海洋プラスチックへの対策は結局どうなったの?

ビジョンや枠組は設置されたが、どれも法的拘束力はなく「不十分」との声も。
G20でスピーチをする安倍首相
G20でスピーチをする安倍首相
CHARLY TRIBALLEAU via Getty Images

大阪市で開催されていたG20サミットが、6月29日に閉幕した。
近年問題視されている海洋プラスチック問題も、主要テーマの1つとして話し合われた。

会議での成果をまとめ発表された首脳宣言では、対策として、新たな海洋プラスチック汚染を2050年までにゼロにする事を目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を共有。プラスチックの重要性を認識しつつも、管理を誤ったプラスチックごみの流出を減らすなど、包括的なアプローチによって海洋プラスチックごみによる汚染の削減を目指す。

また、日本政府としては、廃棄物管理、海洋ゴミの回収などの技術推進の為に途上国における能力強化を支援する「マリーン(MARINE)・イニシアティブ」も発表。

G20大阪サミット前に長野県で行われた「G20エネルギー・環境関係閣僚会合」では、各国が海洋プラスチックごみの削減に向けた行動計画の進捗状況を定期的に報告・共有する「G20 海洋プラスチックごみ対策実施枠組」が決められた。

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一見多くの進展があったように見えるが、G20大阪サミットが閉幕した同日、「それでは不十分」と「減プラスチック社会を実現するNGOネットワーク」のメンバー及び賛同24団体が共同声明を発表した。

声明文では、G20大阪サミットで共有されたビジョンや枠組みの内容を歓迎するとした上で、それでは対策として不十分であり、法的拘束力のある国際協定の早期発足や、2030年までの意欲的なプラスチック使用量削減目標を日本が率先して設定することなどを求めた。

この共同声明文を発表したネットワークのメンバー団体であるWWFジャパンで、プラスチック政策マネージャーを務める三沢行弘さんは、「今回の宣言は一定の評価はできますが、早急に止める必要のあるプラスチックごみの海洋汚染の達成目標が2050年というのは遅すぎます」と話す。

「少なくとも2030年までの流出ゼロに合意し、廃棄処理や回収だけでなく、根本となる生産と使用の削減目標が必要です。そしてそれは努力目標ではなく、拘束力のある協定が求められます」と語った。

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