いよいよ実用化に向けて動き出した、クルマの完全自動運転。
政府は新たな成長戦略として、公道での無人自動運転車を使った移動サービスを2020年に実現するよう目指すことなどを閣議決定した。
この夢のテクノロジーは、単なる技術の進化にとどまらず、私たちが生きる社会の成り立ちを根底から覆す可能性を秘めている。
自動運転に関わるキーパーソンが一同に介したカンファレンス「Future of Society Conference 2018—自動運転が「再設計」する都市生活の未来—」が11月30日に開催される。主催はテクノロジーメディアの「MITテクノロジーレビュー」。ハフポストも協賛している。
カンファレンスのゲストとして登場する、デザイナーの原研哉さんは著書で「技術の進歩や素材の革新だけからこれを想像するのはナンセンスだ。(中略)こうありたい、こんな風に移動したいという人間の欲望が、大きなドライブをかけている」と述べている。(『日本のデザイン——美意識がつくる未来』2011年、岩波新書)
原さんのほか、自動運転に関する研究者や起業家、法律の専門家、建築家らのゲストが予定されている。基調講演は、本田技術研究所統合制御開発室の横山利夫上席研究員(特任)。
当たり前に完全自動運転のクルマが街を走り回る未来で、新しい都市の姿はどう変わっていくのだろうか?実現のために必要なテクノロジーや法制度はどんなものがあるのだろうか?
主催者は以下のように語っている。
「自動運転」と聞くと「運転が不要になり便利になる」というイメージがありますが、ただ移動が便利になるだけではありません。19世紀後半から20世紀初頭に移動手段が馬車から自動車に移行することで人々の行動や生活、都市の光景が大きく変わったように、自動運転への移行は社会を根本から変革する可能性を持っていると考えています。
本カンファレンスでは産業界とアカデミック界のキーパーソンの方々と、社会、都市、法、技術、個人の欲望や美意識など様々な角度から総合的に「自動運転」ついて考えていきます。
自動運転の影響を受けるであろう各業界の今後の動向や自動運転が創り出す社会の未来についてのセッションもあるので、直接自動車に関わっていない業界の方でもお楽しみいただけます。 ご興味ある方は是非お越しください。お待ちしております。
(吉岡健太郎さん:MITテクノロジーレビュー日本版コミュニティ・マネージャー)
カンファレンスは11月30日正午から、東京・北青山のTEPIAホール。参加費(一般)は1万2800円。