「振る舞いのアメリカ化」という表現が出た。
1月11日、フランスの首相付国会担当副大臣 クリストフ・カスタネ―ル氏が、ラジオ局「Franceinfo」の番組に出演し、9日に仏誌「ル・モンド」に掲載された100人の女性団体による共同署名文書について見解を示した。
「しつこく言い寄ることの自由を弁護します」などと書かれた共同声明についてカスタネ―ル氏は、「表現が好きではありません」とただちに批判しつつ、こう明言した。「明確な線引きが必要です。私たちは地下鉄で(女性の)体をなで回す権利はありません」。肉体関係の強要を容認するともとられかねない文書の一部について、断固とした反対の意を示した。
同時にカスタネ―ル氏は、具体的な参照元こそ明かさなかったものの、今日では「男性が女性と一緒にエレベーターに乗ることすらできない事態」が起こっているとし、「振る舞いの画一化」「振る舞いのアメリカ化」への危惧を示した。
「あの文書には、いくつかの表現で気に入らない点がありました。しかし、ますます画一化の方向にある社会の中で、線引きはどこなのかを見定めるという実際の問題を提起していました。いま社会では、たくさんの言葉がタブーとなり、ユーモアが禁じられ、世間知らずの冗談も禁止されています。私が常に恐れているのは振る舞いの画一化です。人々が唯一の行動モデルに従ってしまうこと、言ってしまえば振る舞いのアメリカ化です」
ユーモアとの関連でカスタネ―ル氏はこう続ける。「コリューシュ(フランスの喜劇役者。対象を選ばない辛辣なユーモアで知られた)が今でも、彼が何年か前にやっていたのと同じような番組をできるでしょうか?答えがノンであることを私たちは知っています。(共同声明文が提起した問題は)穏やかな議論をするには値しますが、声明文に声明文をぶつけるようなことがあってはなりません」
ではカスタネ―ル氏は、断罪すべきいくつかの振る舞いを過小評価しようとしているのだろうか?氏はこの解釈をきっぱりとはねつけた。
「真逆です。あらゆる形の男女の不平等を助長する、世間知らずの冗談を、受け入れることはできません。私たちは女性に対してなされてきたあらゆる暴力を、これほど過小評価してきたのだから、今日この問題に対して過剰なまでに断固とした態度をとらなければなりません。痴漢ができるなどと容認してはなりません。(声明文中の痴漢の過小評価ともとれるくだりは)ショックでした」カスタネ―ル氏はこう結んだ。
ハフポスト・フランス版より翻訳・加筆しました。