朝の冷え込みが厳しい季節。屋外に駐車していた車の窓ガラスが霜で凍ってしまうと、溶かすのが大変です。皆さんはどのように対処していますか?
ウェザーニュースでアンケート調査を実施したところ、「車のくもり止め機能(デフロスター)を使う」が45%と一番多くなっています。次いで、「お湯をかける」(23%)という人が多いようです。
また、エリア別で詳しく見てみると、西のエリアほど「お湯をかける」回答が多い傾向となりました。東海・近畿・中国・四国・九州のエリアでは30%を超える人がお湯をかけているようです。
回答者には「ぬるま湯をかけてワイパーで仕上げます」「お風呂の残り湯で溶かします」というコメントもあり、お湯と回答した人の中にはぬるま湯を使っている人も含まれているようですが、熱湯はもちろん、ぬるま湯で溶かすのも危険で注意が必要です。
どのように解氷するのが効果的なのか、解氷方法と凍結防止策をJAF(一般社団法人 日本自動車連盟)に聞きました。
解氷スプレーを使うのが最も効果的!
JAFでは、フロントガラスの解氷テストによって、解氷剤を使った場合とデフロスター(くもり止め機能)を使った場合の2つのシチュエーションを比較しました(場所:長野県上田市菅平高原、天候:雪、最低気温-6.3℃、テスト終了時-5.9℃)。結果は次の通りです。
【テスト結果】
▼解氷剤を使用
フロントガラスにまんべんなく塗布すると、1分ほどで凍結を完全に解かすことができました。
▼デフロスター使用
デフロスターを使い内気循環で最高温度に設定すると、視界が確保できるまで10分ほどかかりました。
早く解凍させるには、解氷剤(スプレー)を使用するのがいちばんです。解氷スプレーの成分はエタノールやイソプロパノールで、0℃でも凍らないアルコール特性を利用して、フロントガラスの凍結温度を下げることができます。スプレー後に霜が溶けたら、布で拭き取るかワイパーを用いてガラス面をきれいにしましょう。
JAFでは「デフロスターだけで解氷しようとすると、長時間のアイドリングで環境面に負荷をかけるので、解氷剤にスクレーパー(へら)の併用をお勧めします」とアドバイスしています。
お湯をかけるのは危険!
「お湯をかけて解氷するのは、温度差でガラスが割れたり、溶けた水がすぐに凍りつく可能性があるので危険です」(JAF)。熱湯はもちろん、ぬるま湯でも要注意です。
霜が降りやすい気象条件は、前夜が快晴で放射冷却現象が強まるときです。昼間暖められた地面が大気中に熱を放出して、地面の温度が下がるのです。
車のフロントガラスに霜が降りるのは、寒さでフロントガラスが冷やされ、空気中の水蒸気が昇華して付着するためです。気温が4℃以下のとき、湿度が高いとき、風が弱いときなども霜に注意が必要です。
また事前に、車の霜対策を施しておけば、朝、慌てずにすみます。では、どんな対策が有効なのでしょうか?
カバーをかけておけば完璧!
JAFのユーザーテストでは、条件の異なる車3台を一晩駐車し、フロントガラスの凍結防止対策として何が有効かを検証しています。
(1)凍結防止対策なしの車
スノーブラシやスクレーパーを使っても凍結は取りきれず、視界確保は困難。
(2)フロントガラス全面に撥水剤を塗布した車
スノーブラシやスクレーパーを使えば、凍結部分をきれいに拭い取ることができました。
(3)フロントガラス全面にカバーをかけた車
凍結はなく、凍結防止対策に最も有効でした。
スクレーパーを使用する際、プラスチック製なら、ゴシゴシこすってもガラス面に傷がつくことはありませんが、ガラス面に付いていたごく小さな砂などによって傷付く可能性もあるので、ガラス面をきれいにしておくことが必要です。
撥水剤は梅雨どきだけではなく、霜取りにも威力を発揮します。撥水が効いていると水滴を寄せ付けないため、雪や霜が付きにくくなる効果が得られるのです。
ワイパーは立てておく、ドアの凍結にも注意!
「寒冷地で駐車する際には、ワイパーのゴムが凍結して窓に張り付くことがあるので、ワイパーは必ず立てておきましょう。また、夜間に冷え込んだとき、風がないとき、雨上がり後に水分が残っているとき、雪がついたときなどは、ドアが凍結して開かなくなる場合もあります。
雨天時に走行した後など、ドアの内側が濡れたまま駐車しておくと、ドアが凍結する恐れがあるので、ドア付近の水気を拭き取るなどして用心してください」(JAF)と注意を促しています。
朝出かけるときに慌てないよう、天気予報を考慮して事前に凍結防止対策を心がけましょう。
(2019年1月27日「お湯は危険! 車のフロントガラスが凍ってしまったら?」より転載)
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