新型コロナウイルスの感染拡大によって、私たちの日常生活は大きく変わりました。リモートワークがスキルアップにつながった、子どもと過ごす時間が増えたなど、ポジティブな声も聞かれます。一方で子どもの預け先がなくなり、在宅の仕事がはかどらないといった課題も…。
LIFULL(東京)は、コロナによって、これまで当たり前とされていた価値観の変化や、これからの暮らしの在り方について人々と話し合うプロジェクト「話そう、これからの暮らし。-From MY HOME-」を立ち上げました。会話のきっかけとなるよう、ジャーナリストでDJのモーリー・ロバートソン氏ら4人の著名人に、これからの暮らしを語ってもらうインタビュー動画も公開しています。
8月2日(日)に行われたライブ配信も、その取り組みの一つ。タレントのりゅうちぇるさん、エッセイストの犬山紙子さん、ファシリテーターに最所あさみさんが参加し、暮らしの変化やコロナ禍で生まれた社会課題について話し合いました。
コロナ期間中に「自分をレベルアップ」
LIFULLは今年の5月、男女約2万人を対象に、コロナ禍における「新しい暮らしへの兆し調査」を実施。それによると回答者の70%が、生活に「ポジティブ」「ややポジティブ」な変化が起きたと答えました。
テレビ番組のコメンテーターを務める犬山さんは「番組が自宅からのリモート収録になり、出張もほぼなくなりました。移動が不要になったことで子どもと過ごす時間が増え、睡眠時間も長めに取れるようになりました」と話します。
またりゅうちぇるさんは「自分をレベルアップさせる良い機会だった」と振り返りました。
時にはリモート収録中、出前や宅配が来て「つい応対しちゃったことも…」あったといいますが、積極的にYouTubeに動画をアップし「いみくじピーマン(全く分からないという意味の沖縄方言)」だったというデジタル機器の操作もマスター。「これまではテレビのお仕事がメインでしたが、様々なジャンルの仕事に挑戦しようと思うようになりました」と話しました。
リモートワークの普及で、地方移住への関心も高まっているようです。犬山さんには実際に、郊外の海辺の町へ引っ越した友人がおり「めちゃくちゃうらやましい」と言います。
りゅうちぇるさんも「リモートを駆使したことで、東京以外での生活をイメージできるようになり、マイホーム購入に踏み切る人もいるのでは」と推測。ただ自身については「地方に引っ越したら絶対都心に戻りたくなる。マイホームはもう少し先になりそう(笑)」と率直に話しました。
犬山さんは「コロナをポジティブに捉えるのは、それ以前の日本人にいかに余裕がなかったか、の裏返しでもあるのでは。重症化するリスクの高いシニアが、不安を抱えているであろうことも気になります」と、心配も口にします。
また、都内でも大多数の人はコロナ前と同じ住まいにとどまり、リモートワークの場所の確保にすら苦労しているのが現状です。犬山さんは「部屋の一角を仕事コーナーと決めて、そこに座ったら自分が『仕事モード』に切り替わる環境を整えてみては」と提案しました。
コミュニケーションに子育てとの両立…リモートワークに苦労
りゅうちぇるさんは、リモートでの仕事について「他の出演者と発言のタイミングがかぶって慌てるなど、コミュニケーションに難しさもありました」と明かします。
「何より、リモートは顔が可愛く映りづらい(笑)。ライトなどの設備が整ったスタジオ収録のありがたさを実感しました。出演者同士で何気ない話ができないのも寂しいですね」
最所さんは「ビジネスパーソンからもリモートだと雑談しづらい、部署の違う人とのコミュニケーションがなくなり不便だという声があります」と紹介。
さらに「保育園に子どもを預かってもらえず、仕事がはかどらなかったという声も聞いています。子どもが家にいての在宅勤務は、本当に大変だったのでは?」と、2人に問いかけました。
犬山さんは「別室の子どもの泣き声が、収録に入ってしまったこともありました」と苦笑。
「感染リスクを考えると、高齢の祖父母などに子どもを預けづらくなった家庭も多いでしょう。難しいとは思いますが、コロナ禍の中でも、子育てと仕事の両立を助けるサービスがあれば…」と要望しました。
りゅうちぇるさんも、「(リモート収録は)夫婦の協力がなければとても乗り切れませんでした」と強調します。通っていた子育て支援センターが休止されて遊び場に困るなど、子育ての苦労は絶えませんでしたが、意外なことに夫婦喧嘩は減ったとか。
「ぺこりんは、僕が息子と過ごす時間が増えたことをとても感謝してくれたんです。僕も彼女の頑張りが分かるので、お互いに感謝することが増えました」
犬山さんも、りゅうちぇるさんの話に大きくうなずき、「夫婦がお互いの味方になってコロナを乗り切るか、攻撃して敵同士になるかが、その後の夫婦関係を大きく左右すると感じました」と語りました。
自分の生き方を強要しないで コロナの乗り越え方は人それぞれ
コロナ禍の子育てや外出、感染対策に対する考え方は人によって違います。ステイホーム中、家事や仕事の間、子どもに動画を見せることを「やむなし」とする親も、絶対に見せない親もいました。夏休みも外出を控えるか出かけるか、出かけるならどこまで足を延ばすかといった判断も、家庭ごとに違います。最所さんは「旅行やレストランに行く人を批判するのではなく『私はしないけれど、あの人はそういう考えなんだ』と認めることが大事ではないでしょうか」と話します。
りゅうちぇるさんも「自分の生き方を人に強要しないで」と呼び掛けました。
「コロナの乗り越え方は、人それぞれでいいと思うのです。たとえ優しい気持ちからであっても、他人への“こうしたほうがいいよ”という言葉はぐっと飲みこんでほしい」
また犬山さんは、「苦しくなったら周りに話して、甘えまくっていい。そして聞き手は話を否定せず、最後まで“傾聴”してあげて」と話しました。
最後にりゅうちぇるさんは、ライブ配信を見ている人たちへ「大変な時期にこそ自分を甘やかす時間を作り、頑張れない自分も含めて愛してあげて。誰もがステキな個性を持っているのだから、それを大切にして下さい」と、メッセージを贈りました。
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LIFULLは「あらゆるLIFE、をFULLに。」というコーポレートメッセージを掲げ、一人一人の声に耳を傾けながら事業を展開してきました。主力事業である不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」を始めたのも、マイホーム購入に苦労していた若い夫婦の「不動産会社をまたいだ住宅情報があったらいいな」という声がきっかけだそうです。
その他にも、ママが子育てと仕事を両立しながら、スキルアップできる就労支援事業 「LIFULL FaM」や、空き家の再生・活用に取り組む「LIFULL 地方創生」など、社会課題解決につながる事業をつぎつぎと打ち出しています。
「話そう、これからの暮らし。」プロジェクトも、コロナ禍で生まれた新たな社会課題を、事業を通じて解決したいという思いから生まれました。ぜひ皆さんも「#話そうこれからの暮らし」のハッシュタグをつけて、意見をツイートしてみてください。社会を良くするための新しいサービスにつながるかもしれません。
また、9月下旬にはLIFULL主催のビジネスプランコンテスト「OPEN SWITCH」の開催を予定しています。コロナ禍での住まいや働き方などに関する調査やインタビューを通じて得られた“声”を元に、withコロナの中での「あらゆるLIFEを、FULLに。」する事業アイディアを募集。
様々な人や企業と協力しながら、より多くの社会課題の解決をLIFULLが推進していきます。
(執筆:有馬知子 編集:川越麻未)