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アメリカ・カリフォルニア州で、フォスターケア(里親制度)で育った若者が、州の公立大学に無料で進学できるようになる。
里親とは、生みの親が養育できない子どもたちを、別の家庭が迎え入れて育てる制度だ。
カリフォルニア州では約6万人がこの制度を利用しているが、安定した支援システムや費用がないため、多くが高等教育を受けられていない。
州当局によると、里親制度で育った93%の若者が大学に進学したいと望むものの、26歳までに4年生大学を卒業できるフォスターユース(里親制度で育った若者)は4%に止まる。
この状況を変えようと、既存の奨学金制度を拡大し、フォスターユースが、公立のカリフォルニア大学やカリフォルニア州立大学、州内のコミュニティカレッジ(2年制大学)に無料で通えるようにする法案が提出され、ギャビン・ニューサム知事が7月10日に署名した。
フォスターユースには学費だけではなく、住居費や教科書代、食費も提供される。
法案を提出したアンジェリーク・アシュビー州上院議員は「カリフォルニア州で最も弱い立場にある若者たちが高等教育の道を選び、自分の人生を主導できるようになる」とコメントしている。
「すべてを失ったフォスターユースにとって、この法案は債務に苦しむことなく大学に進学できるという希望になります。さらに、『大学をすべての人が通えるものにする』という州の目標に向けた重要な一歩です。フォスターユースたちはカリフォルニアで初めて、借金無しで大学に通う教育を達成するのです」
自身も里親制度で育ち、現在はNPO団体でフォスターユースの支援などに携わるシェーン・ハリスさんは、「これは、カリフォルニア中のフォスターユースにとっての大勝利です」とCBSのインタビューで述べ、法律を歓迎した。
「両親を失えば支援システムがなくなり、さまざまな困難を乗り越えなければなりません。それなのに大学の学費を支払えるでしょうか?」
カリフォルニア州は、大学教育はフォスターユースにとってゴールではなく、新たな人生のステージに向けての備えだとしている。