アメリカ・フロリダ州ライマン高校の生徒たちが、ステッカーでイヤーブック(1年間の学校生活をまとめたアルバム)の一部を覆い隠そうとする学校側に反発している。
地元テレビ局WKMGによると、学校が隠そうとしているのは、通称「ゲイと言ってはいけない」法案に反対する抗議活動の写真や説明書きだ。
この法案は、フロリダ州の幼稚園や小学校で、性的指向や性自認について議論することを規制する内容で、デサンティス州知事が3月28日に署名した。
生徒たちは3月に、この法案に抗議するデモに参加。イヤーブックには、プラカードやレインボーフラッグを掲げる生徒たちの姿が写っていた。
地元テレビ局WESHによると、イヤーブックは5月9日に配布される予定だったが、マイケル・ハンター校長が同日に遅延を通達した。
ハンター校長は生徒の家族に送ったメールで「イヤーブックはセミノール郡教育委員会が定める規則をすべてを満たさなければならない」と説明。
「残念ながら、このイベントの写真や説明は教育委員会の規則を満たさず、それはチェック段階で確認できていませんでした。再度印刷すれば多額のコストがかかり、配布が遅れます。そのため、教育委員会の規則を満たしていない素材を覆うことで、できる限り迅速に配布することにしました」と述べた。
一方、生徒たちは学校側の決定に反発。SNSや署名サイトで、検閲の中止を求めるキャンペーン「#StoptheStickers (#ステッカーを止めろ)」を立ち上げた。
また、イヤーブック編集チームの生徒複数人が、10日に開催されるセミノール郡教育委員会の会議で反対を表明する予定だ。
イヤーブックの共同編集長スカイ・ティーデマンさんは、「(検閲について)先生に伝えられたとき、とてもショックでした」とWESHに語っている。
「ハンター校長は毎朝の発表で、私たちは歴史的で、多様で、インクルーシブなんだと伝えてきました。私たちはLGBTQコミュニティについてそうだということを、イヤーブックではっきり示そうとしたのです」
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。