アメリカ・アトランタからスペインのバルセロナへ向かっていたデルタ航空の飛行機が9月1日、機内で発生した問題が原因で引き返した。
航空無線のやりとりや乗客のSNS投稿から、問題になったのは乗客の下痢だとみられている。
フライトレーダー24のデータによると、この飛行機は離陸後バージニア州中部で引き返し、出発から約2時間後にハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港に戻った。
Xには、世界中の航空無線が聞けるLiveATCで記録されたパイロットと航空管制官とやりとりが投稿されており、パイロットは「バイオハザード(生物災害)の問題が発生しました」 「乗客の下痢が機内に散らばっており、アトランタに戻るよう求められました」と伝えている。
CNNによると、飛行機は当初の予定より8時間以上も遅れて、現地時間9月1日午後5時16分にバルセロナに到着した。
デルタ航空の広報は「お客様ができるだけ迅速かつ安全に最終目的地にたどり着けるように頑張りました」「遅延およびお客様の旅行計画にご迷惑をおかけし、心からお詫び申し上げます」とコメントしている。
デルタ航空の担当者はアトランタに引き返した理由について「機内で発生した医療上の問題」とインサイダーに伝えているものの、詳細は明らかにしていない。
ハフポストUS版はこの問題についてデルタ航空に問い合わせているが、まだ回答はない。
一方、この便に搭乗していたもしく知り合いが乗っていたという人たちが、機内の状況をXに投稿している。
あるユーザーは「パートナーがその便に搭乗していましたが、かなりひどかった。下痢が通路にポタポタと滴り落ち、ひどい臭いがしたそうです。バニラの香りの消毒剤がまかれたものの、バニラのう○このような香りになったということでした。着陸後に徹底的に機内を清掃し、出発したのは午前2時半頃でした」と書いている。
別のユーザーは「妻と一緒に乗っていましたがひどい状況でした。引き返すというパイロットたちの判断は正しかった。地上スタッフがカーペットを剥がして、新しいものを敷きました。状況から考えれば、地上スタッフや客室乗務員、パイロットは素晴らしい仕事をしました」と述べている。
その後5日には、機内の様子を撮影した動画がSNSに投稿された。映像では乗客がいなくなった機内で、通路の青いカーペット上に赤茶色の染みが点々と残されており、一部が紙ナプキンなどで覆われている。
引き返したことで到着時間は大幅に遅れたものの、類似の状況と比較すると、デルタがとった今回の選択肢は良い判断だったと言えそうだ。
CNNによると、6月にパリ発トロント行きのエールフランス航空機に乗った客が、前の座席の下に血液と下痢があるのを見つけて客室乗務員に伝えたものの、ウェットティッシュを渡されて自分で清掃しなければならなかった。
この乗客は「私たちはその後の7時間、血液の臭いを嗅ぎ続けなければなりませんでした」とCNNに述べている。
【UPDATE:2023/09/06 14:00】
機内の映像とその説明を加筆しました。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。