(注意:記事文末にフラミンゴの死体の写真が掲載されています)
トルコ中央部にあるトゥズ湖で、7月に入ってからフラミンゴが大量死している。
環境問題専門家たちは、気候変動による干ばつや農業用かんがい、政策の対策不足などが原因になっている可能性があると警告し、野生生物を守る対策を取るよう、政府に訴えている。
湖に横たわるフラミンゴの死体
トゥズ湖は、トルコ・コンヤ県にあるトルコで2番目に大きい湖だ。
トルコ語で「塩の湖」を意味するこの湖は、塩分濃度が高く、フラミンゴを含む様々な鳥の繁殖地になっている。
フラミンゴの群れは毎年春〜夏に飛来するが、現在湖は干上がった状態になっており、ひび割れた湖底で多くのフラミンゴの幼鳥や成鳥が死んでいる。
大量死の原因はまだわかっていないが、環境活動家たちは、気候変動による干ばつや農業用のかんがいが原因ではないかと指摘している。
写真家のファハリ・タンさんは農業用かんがいを問題視していて「トゥズ湖に繋がっていた用水路の水がせき止められて、農業用水として使われているために、トゥズ湖に水が供給されていません」と、インドのテレビ局WIONに語った。
タンさんによると、トゥズ湖では通常1万のフラミンゴの卵がふ化する。2021年のふ化数は5000だったが、そのほとんどが死んだという。
タンさんはInstagramに、大量のフラミンゴの死体が横たわるトゥズ湖の動画や写真を投稿している。
トゥズ湖にフラミンゴの写真を撮りにきたアンカラ在住のイステム・ドンメズさんも、「生きているフラミンゴはおらず、目にしたのは死んだ鳥ばかりでした」とFrance24に、話している。
ドンメズさんによると、湖は干上がった状態で、大小様々なフラミンゴの死体があった。「砂漠のようだった」とドンメズさんは振り返る。
一方、トルコのベキル・パクデミルリ農業森林相は、農業用のかんがいとフラミンゴの大量死との関係を否定している。
パクデミルリ農業森林相によると、1000羽のフラミンゴが死んだことが確認された。同相はその理由を「水が減り、塩分濃度が高まったことで、飛べなくなったフラミンゴの子どもが死んだ」と述べている。
France24によると、コンヤ県は7月14日に、フラミンゴの死亡原因を究明するための調査を立ち上げた。
トゥズ湖は世界遺産暫定リストに登録されており、トルコ政府は2000年に、同湖を多様な生態系を保護するエリアに指定している。
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました。