安倍晋三元首相が銃撃されて死亡した事件に関して、宗教法人「世界平和統一家庭連合」の田中富広会長は7月11日午後2時すぎに会見を開いた。
同宗教法人は2015年まで世界基督教統一神霊協会の名称で活動。当時の略称である「統一教会」の通称で広く知られている。
■報道を受けて「当法人としての公式見解を発表する必要がある」と会見の理由を明かす
安倍元首相を銃撃したとして、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された山上徹也容疑者。その供述内容について、「特定宗教団体への恨みが動機になっている」とマスコミ各社が報じている。また、一部のメディアからこの団体が世界平和統一家庭連合と実名入りで報道したことから、「当法人としての公式見解を発表する必要がある」と感じて記者会見を開いたという。
山上容疑者に関しては、教団の信者ではなく、過去に信者だった記録も存在してないとした。その上で、「山上徹也容疑者の母親は当法人の協会員であり、これまでも1カ月に1回程度の頻度で教会の行事に参加してまいりました」と述べた。
AbemaニュースがYoutubeで放送した会見内容によると、田中会長の冒頭発言は以下の通り。
■田中会長の冒頭発言
世界平和統一家庭連合会長の田中富広でございます。本日は参院選の直後、お忙しい中、このように記者会見に駆けつけて下さいまして心から感謝いたします。まずは安倍晋三元首相のご逝去の報に接し、心からの哀悼の意を表すると共に御冥福をお祈りいたします。
(しばらく間を空ける)
このたびの蛮行は決してあってはならない行為であり、強い憤りを感じております。日本の国民が尊敬し、愛する偉大な指導者を失い大変胸が痛みます。到底起きてはならないことが、起きてしまいました。宗教指導者の1人として、このような重大な結果が生じてしまいましたことを、大変、重く受け止めております。
(深く頭を下げる)
さて、今回の事件の容疑者である山上徹也氏の供述内容の一部が警察によって発表され「特定宗教団体への恨みが動機になっている」という報道がなされました。この特定宗教団体が当法人ではないかという噂が広く流れるとともに、一部メディアでは当法人の実名入りでの報道がなされました。それを受け、当法人としての公式見解を発表する必要があると感じ、今日このたびの会見を開かせていただきます。
当法人が知りうる限りの事実を述べさせていただきます。
第一に山上徹也容疑者は当法人の信者ではございません。過去においても当法人の信者であったという記録は存在しておりません。第二に山上徹也容疑者の母親は当法人の教会員であり、これまでも1カ月に1回程度の頻度で教会の行事に参加してまいりました。第三に山上徹也容疑者の犯行の動機や一部メディアで報じられている献金問題に関しましては現在、警察が捜査中であると思われますので、この場での言及を避けさせていただきます。
これに関しては警察からの要請があれば全面的に捜査に協力させていただきます。
最後にメディアの皆さまにお願いがございます。報道に際しては正確・公正・客観的な取り扱いの上、事実に反する内容、憶測に基づいた記事を出されることがないように、当法人に関することを書く場合には、事前に直接取材をして情報を得て下さるようにお願いします。取材に対しましては誠意をもって対応いたします。以上です。