ハチドリの一種であるシロエリハチドリは、見た目がオスに似ているメスの方がある利益を得られているという。
科学雑誌「Current Biology(カレントバイオロジー)」に掲載された研究で明らかになった。
その利益とは?放っておいてもらえることだ。
邪魔されずに食事ができる
シロエリハチドリは比較的大きな種類のハチドリで、メキシコ南部から、南アメリカの一部にかけて生息している。
若いオスとメスは頭部が鮮やかくて青いが、ほとんどのメスは年齢を重ねるにつれて、鮮やかな青が落ち着いた緑と白に変化する。
ただし、全てのメスがそうなるわけではない。
研究によると、パナマに生息するメスの成鳥の約20%が、オスと同じように青の羽毛を持ち続ける。
青い羽毛を保ち続けることにどんな意味があるのかを調べるため、研究者たちはハチドリに追跡タグをつけたり、剥製の成鳥を設置したりして、行動を観察した。
その結果、オスは落ち着いた色のメスの方により性的関心を持った。
しかしニューヨークタイムズによると、そういった一般的な色のメスたちは、食事の際に攻撃的なオスから、追われたり、突かれたりしやすかった。
その一方で、オスのように頭部が鮮やかな青色のメスは、落ち着いた色のメスに比べて嫌がらせを受けずに、より食事に時間を割くことができた。
生存率に有利な可能性
研究に携わったコーネル大学鳥類学研究所のジェイ・フォーク氏は「オスのような羽毛を持つメスは、攻撃を受けにくいために、より頻繁に食事ができていました。これははっきりとした利益です」とリリースで説明している。
研究によると、オスのような羽毛を持ったメスは一般的なメスより嫌がらせを受けなかったため、長く高糖質の蜜を吸うことができた。
ハチドリは代謝率が高いため、定期的に蜜を吸わねばならない。そのため、より楽に食事ができるということは、生存率に大きな違いをもたらすという。
一部のメスが大人になっても鮮やかな羽毛を残すメカニズムは、まだ明らかになっていない。フォーク氏は、研究を続けて解明したいとニューヨークタイムズに語っている。
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。