最近公開された文書によると、FBI(米連邦捜査局)は長年にわたり、米国の複数の大手信用情報機関に膨大な量の米国人の消費者情報と財務情報を密かに要求していた。
FBIは常時この種の法的権限を行使している。国家安全保障書簡(FBIの命令書)を発行し、大手の信用情報機関に購買記録や場所など、政府が国家安全保障の調査に必要と判断する非内容情報(電話であれば通話内容が内容情報にあたり、電話番号は非内容情報)を提出するよう命じた。国家安全保証書簡には司法による監視がなく、通常、口外禁止命令を伴い、受領者は受け取った事実を明かすことはできない。
これまでFacebook、Google、Microsoftなどの限られたテクノロジー企業のみが、国家安全保障書簡を受け取ったことを表明した。米国政府の監視活動の範囲に関するEdward Snowden(エドワード・スノーデン)氏の暴露を受けて2015年に法律が変更されて以来、受領者はFBIに対し口外禁止条項からの除外を申請すれば、一部墨消し(白抜き)で書簡を公表できる。
テクノロジー企業は「透明性レポート」を発行して、政府のデータ開示要求をユーザーに通知してきた。しかし、信用情報機関などの他のデータ収集者は、要求回数などの数字を公表してこなかった。
民主党の上院議員Ron Wyden(ロン・ワイデン)氏、Elizabeth Warren(エリザベス・ウォーレン)氏、共和党の上院議員Rand Paul(ランド・ポール)氏は、Equifax、Experian、TransUnionに書簡を送り、大手信用情報機関が受けた政府のデータ開示命令の回数をなぜ明らかにしなかったのか、と「警告」を表明した。
「貴社は米国人に関する大量の機密データを保有しており、個人から同意を得ずに情報を得ていることから、データの取り扱い方法について透明性を保つ責任がある」「残念ながら、貴社がFBIに開示した情報の種類や数について、政策立案者や一般の人々に情報を提供していない」。
Equifax、Experian、TransUnionの広報担当者は、営業時間外のコメントの要求に応じなかった。
2001年に法的権限が発効して以来、信用機関に発行された国家安全保障書簡の数は不明だ。ニューヨークタイムズは、信用情報機関への国家安全保障書簡は、これまでにFBIが発行した50万件の書簡のうちの「わずかだが重要な」一部だと報じた。
冒頭の文書によると、他の銀行、金融機関、大学、携帯電話会社、インターネットプロバイダーは、国家安全保障書簡の標的だった。上院議員は、各機関が受け取った政府からの要求の回数を12月27日までに開示するよう求めた。
画像クレジット:GETTY IMAGES
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(翻訳:Mizoguchi)
2019年12月16日TechCrunch Japan「FBIが信用情報機関に大量の消費者情報を要求していたことが明らかに」より転載
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