Facebookは、米国イリノイ州で顔認識データを悪用したとされる賠償額350億ドル(約3兆8000億円)の集団訴訟の前段で敗訴した。米国時間10月16日、同社はその訴訟を棄却してもらうために必要な第9巡回裁判所の裁判官全員の前でのヒアリングを拒否されたのだ。従ってこの訴訟は、最高裁判所の仲裁がないかぎり実際の裁判にかけられる。
訴状によると、マッピングが始まった2011年にイリノイ州の市民は、アップロードされた彼らの写真が顔認識でスキャンされることに同意していないし、データがどれだけ長く保存されるのかに関する情報の提供もなかった。Facebookは700万人の人々に対し一人あたり1000ドルから5000ドルの罰金を科せられ、その総額は最大で350億ドルになる。
第9巡回裁判所の3人の判事はこの訴訟の棄却を求めるFacebookの申し立てを却下し、原告を集団訴訟原告不適格とする8月の抗告も退けられた。判事の一人は、Facebookの顔認識データが監視カメラの記録で彼らを特定するために利用されたり、さらにはバイオメトリックスで保護されている携帯電話をアンロックするために使われたこともありえると述べた。Facebookはもともとこの機能を、写真のタグを強化するために作り、ユーザーにタグのない写真を見せ、それが自分であるか、それとも特定の友だちであるかを尋ねていた。
Nicholas Iovinoが今日見つけた裁判所の発表を、この記事の末尾に掲載した。コメントを求められたFacebookのスポークスパーソンは、次のように答えた。 「Facebookは常に顔認識技術の使用について人々に話しており、それを彼らのために利用することの是非に関しては彼らにコントロールを与えている。私たちは私たちのオプションを目下再検討しており、今後も私たち自身を強力に擁護し続けたい」。
2015年に提出されたこの集団訴訟の告訴を、Facebookはあらゆる手段で阻止しようとした。訴状中の大量の言葉の定義に異議を申し立てたり、訴えの基盤にもなっている「バイオメトリック情報プライバシー法」を無効とするロビー活動を展開したりした。
FTCの同意判決違反では5億ドルの示談金で合意に達したが、この集団訴訟の罰金額はその記録を破っている。昨年の年商550億ドル(約6兆円)のFacebookにとってたいした額ではないかもしれないが、この訴訟にはデータのプライバシーや透明性に関する要求が大量に付随している。350億ドルの罰金決定は、今日のFacebookの株価の2.25%下げに貢献したようだ。
画像クレジット: Mike MacKenzie
補足記事提供: Zack Whittaker
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa)
2019年10月21日TechCrunch Japan「罰金総額3.8兆円の対Facebook集団訴訟がいよいよ本番へ」より転載
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