Facebook Japanは、ポップアップカフェ「Facebook Café」を5月19日までの期間限定でオープンしました。
Facebookの日本語版スタートから11周年となる日を記念してオープンしたこのカフェでは、3種類のパンケーキとドリンクが無料で振る舞われます。面白いのはそのシステムで、店舗に入るときに渡されたアンケートで判明した”プライバシー管理の甘さ”が、提供されるパンケーキの甘さと連動します。
アンケートはは5問構成で、「Facebookの2段階認証の設定方法を知っている?」や「Facebook/Instagramでブロックする方法を知っている?」という設問が並びます。4〜5問正解で、ビターチョコの「超いいね!」、2〜3問ならキャラメルチョコの「すごいね」、0〜1問ならホワイトチョコでできた「悲しいね」が提供されます。
もしアンケートに不正解で、「悲しいね」パンケーキが出てきても心配ご無用。Facebookのプライバシー管理設定を紹介する冊子が手渡されますので、この機会に設定を見直しておきましょう。
Facebook Caféの会場は東京・原宿のカフェ「アロハアミーゴ原宿」で、17日は20時まで、18日と19日は11時30分〜20時に開催します。営業時間中であってもパンケーキの在庫がなくなり次第終了となります。
■Facebookがカフェを作った理由
Facebook Japanとしては初めての展開となるポップアップカフェ。期間限定とはいえ、オンラインサービスのFacebookがリアルな場で展開するのはなぜなのでしょうか。
Facebook Caféを仕掛けたFacebookの小堀氏は、Facebookがセキュリティーの確保とプライバシーの保護に務めていることを紹介し、「ユーザーの情報をユーザー自身で管理できるようにすることが、安定したサービス運営の基盤となる」と話します。
FacebookやInstrgramには自分が公開する情報をコントロールする設定項目が多数存在し、たとえば「どの範囲まで情報を公開するか」や「興味がない広告を非表示にする」といったように、プライバシー保護設定の管理を柔軟に行えるようになっています。しかし、設定項目を用意したとしても、使われなければ意味がありません。友だち同士で訪れる場を用意することで、ITリテラシーやSNSでのマナーに疎い人がプライバシーについて考えるきっかけを作りたい。というのがFacebook Caféの狙いです。
スマートフォンの普及により、SNSの利用者が爆発的に増加しました。OECDでは各国政府が共同で、プラットフォーマーのプライバシー保護に関する指針の策定が進められています。
この11年で、Facebookは大規模な情報を独占するプラットフォーマーとなりましたが、同時にその責任も問われるようになっています。Facebook Japanでは今回の取り組みとは別に、シニア層向けにFacebookの安全な使い方を教授するセミナーを開催しているほか、保護者が教育者向けに子どもとSNSに向き合うための資料を公開しています。
一方で、SNSのユーザーの立場では、ひとりひとりがプライバシー管理についての意識することが重要です。誰でも気軽に発信できるSNSですが、個人情報を晒してしまったり、不用意な発言で炎上してしまうリスクも存在します。インターネットでの情報発信は、使い方を誤ると、瞬間的に拡散し、容易に消せない状況になってしまいます。その時、私たちの身を守るのは、SNSの使い方についてのただしい知識、一種のITリテラシーです。
Facebook Caféで甘いパンケーキを食べる時間は、甘くしてはならない情報管理の大切さについて改めて考えなおすにはちょうどいい機会かもしれません。
(2019年5月17日Engadget日本版「原宿「Facebook カフェ」に行ってみた。プライバシー管理が甘いとパンケーキも甘く:5月19日まで」より転載)
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