護衛艦「いずも」などに搭載可能と言われる、アメリカ製のF35B戦闘機の導入を防衛省が本格検討していると12月25日、共同通信が報じた。
■F35B戦闘機とは?
F35Bは、最新鋭ステルス戦闘機「F35」で、短距離離陸・垂直着陸(STOVL)ができるようにしたバージョンのことだ。在日米軍が山口県の岩国基地に配備している。
Responceによると、F35Bは艦上での運用を前提としているため、短距離離陸(STOL)ができる。
また、搭載兵器を使い果たしたり、燃料を消費して機体が軽くなった状態では垂直着陸(VTOL)も可能になっている。
短距離離陸も、垂直着陸もできるため「STOVL機」などと称されている。
共同通信によると防衛省が既に導入を決めた空軍仕様のF35A戦闘機のうち、一部をB型に変更する案、別に追加購入する案があり、2018年後半に見直す「防衛計画の大綱」に盛り込むことも想定しているという。
■護衛艦「いずも」に搭載可能?
一方、自衛隊が配備する護衛艦「いずも」型は全長248mで、空母のように艦首から艦尾まで続く「全通甲板」を持ち、ヘリコプターを搭載できる。現在、同型護衛艦は「いずも」と「かが」の2隻ある。潜水艦を探知する哨戒ヘリコプターなどを9機運用できる。
機関砲を移転するなど甲板を改装すれば、F35B戦闘機にも対応できると見られている。
中国メディアの環球時報は「いずも」の進水時に「固定翼の戦闘機も搭載可能で、実際には軽空母だ」と主張した上で、「いずもを護衛艦と呼ぶのは、日本の高官が"私人の立場"と言って靖国神社に参拝するのと同じだ」と批判していた。
今回、共同通信は護衛艦であってもF35B戦闘機を搭載すれば軍事的には「空母」と位置付けられるとして、「自衛のための必要最小限度を超えるため攻撃型空母を保有することは許されない」としてきた政府見解との整合性が問題になると報じている。
■F35Bの垂直着陸訓練の動画