モータースポーツと言えば、迫力のある疾走感とエネルギー溢れるパワーが魅力のスポーツ。
そんなモータースポーツの世界に今、アートを通じたプロジェクト「Driven by Change (ドリブン・バイ・チェンジ)」が新たな風を吹かせている。
BATジャパンは、F1日本グランプリの開幕を直前に控えた4月3日(水)、同社の旗艦ベイプブランド「Vuse(ビューズ)」と「マクラーレン・フォーミュラ 1チーム」が立ち上げたグローバル共同プロジェクト「Driven by Change」の日本初上陸を記念して東京ミッドタウンでローンチイベントを開催。
新進気鋭の日本人アーティスト、MILTZ(ミルツ)さんがカラーリングを手掛けたマシンがお披露目されるということもあり、期待と緊張で満ちた会場へ足を運んだ。
モータースポーツを通じて、新進気鋭のクリエイターを支援
2021年に発足した「Driven by Change」は、グローバルな人気を誇るモータースポーツを通して、世界中の新進気鋭なクリエイターを支援する試みだ。
今年3月には、日本の歴史に深く根ざした「江戸文字」を継承しながら、現代的な形にアレンジした作風で注目を集めるMILTZさんと1年間のパートナーシップの締結を発表した。
同イベントでは、MILTZさんが手がけたマクラーレン2024年型F1マシン「MCL38」の2024 F1日本グランプリ専用カラーリングマシンが初披露された。
マクラーレンを象徴するパパイヤオレンジに加え、青や黒を貴重としたカラーリングが印象的な同マシンには、雲を駆け抜ける龍のデザインが江戸文字をモチーフにして描かれている。また、ボディに記されたドライバーの名前とゼッケン番号にも独創的なタッチが加えられているのも特徴だ。
MILTZさんは今回のカラーリングについて「龍とドライバーには共通点を感じます」と語り、龍はスピードを競うドライバー、雲はF1マシンがアスファルトの上で空気を押し出す様子をそれぞれイメージしてデザインしたとコメントした。
また、制作で工夫した点については「今回のカラーリングでは、まずアウトラインを描いてから塗りつぶすという手法を採用しました。私の作品は『レタリング(文字によるデザイン)』が特徴なのですが、F1マシンでは文字に焦点を置くのではなく、より抽象的なデザインに仕上げました」と語り、F1マシンをキャンパスにした今回の取り組みならではの挑戦があったことを明かした。
会場には「Driven by Chang」 の日本デビューとMILTZさんの応援のために、マクラーレンのリザーブドライバーである平川亮さんも駆けつけた。MILTZさんがデザインしたマシンに目を輝かせた平川さんは、司会者の「MILTZさんにデザインしてほしいものはありますか」という質問には「僕の名前ですね」と即答。MILTZさんも「ぜひ。このあとすぐに裏で話しましょう」と小声で話すそぶりを見せ、会場を和ませた。
MILTZさんを選んだ理由は...。BATとマクラーレンのスピーカーも登壇。
同イベントには、BATジャパン副社長マーケティング責任者のマリエル・ マクラムさん、BATマクラーレンパートナーシップ責任者のルカ・アンジョリーリョさん、そしてマクラーレン・レーシング チーフ・マーケティング・オフィサーのルイーズ・マキュアンさんも登壇。Driven by Changeに込めた想いや日本上陸の背景、新カラーリングについて説明した。
マクラムさんは、Driven by Changeの日本上陸について「新進気鋭の日本のアーティスト、そして日本の文化や現代アートを世界に紹介できる機会を得られたことを誇りに思うと同時に、この機会にとても感謝しています。また、日本で昨年ローンチしたVuseも、ここ日本において同じ新興の存在として、アーティストとともに成長していきたいと考えています」とコメント。
アンジョリーリョさんは、マクラムさんのコメントに深く頷き、 パートナーにMILTZさんを選んだ理由について「MILTZさんはクリエイティビティと変革を体現しつつも、古き良き伝統も継承しています。彼の作品はDriven by Change の理念を体現しているアーティストでもあると思います」とコメント。さらに「彼のオリジナル作品が世界最速で動くキャンバスの上で輝くと思うと、とても楽しみです」と新カラーリングに寄せる想いを語った。
さらにマキュアンさんは、同マシンがコースを走り抜ける姿について「MILTZさんが手がけた専用カラーリングは、伝統とモダンを融合させたデザインによって象徴的なパパイヤカラーに命が吹き込まれています。サーキットで目立つことは間違いありません」と太鼓判を押した。
「Driven by Change」を通して、モータースポーツとアーティストがこれから、どのような挑戦をして私たちを楽しませてくれるのか。今後のアクションにも注目したい。