多数の未成年女性を性的目的で人身売買したとして2019年に起訴され、後に勾留施設で死亡したアメリカの実業家ジェフリー・エプスタイン元被告の被害者の一人が、「元被告が友人たちが性行為をする録画を持っていた」と改めて主張した。
この被害者は2016年に録画の存在を告発し、アメリカのドナルド・トランプ前大統領やビル・クリントン元大統領、イギリスのアンドリュー王子、実業家リチャード・ブランソン氏らが含まれていると主張したものの、後に撤回した。
撤回理由について「脅迫されたからだ」と説明している。
録画はあると再び主張
録画の存在を主張したのは、エプスタイン元被告の被害者の一人、サラ・ランサム氏だ。
ランサム氏は1月9日に放送されたイギリスの情報番組「グッド・モーニング・ブリテン」に出演し、「すべてが録画されていたというのは、周知の事実です」と語った。
「複数の被害者やその他の人たちが、私の証言を認めています。私も彼のオフィスで録画を見たことがあります」
ランサム氏は2016年、トランプ氏らと女性たちとの性的行為を撮影したテープを持っているとニューヨーク・ポストの記者に告発した。この時の告発をつづったメールが2024年1月8日、別の被害者ヴァージニア・ジュフリーさんの民事訴訟の関連文書として公開された。
裁判文書によると、ランサム氏はニューヨーク・ポストの記者に送ったメールで、「ある女性がトランプ前大統領とのカジュアルな“友人関係”について打ち明けてくれた」とつづっている。
「トランプ氏は彼女に特別なものを感じていたようで、女性は私に、彼から形の良い乳首が好きだと何度も言われたと話してくれました」
「ジェフリーのニューヨークの邸宅で、彼女がトランプ氏と定期的に性的関係を持っていたことも知っています」
しかしこの時、ランサム氏が実際に録画を見せることはなかった。さらに、公開するのは「悪いことであり、家族に痛みをもたらすだけだ」として主張を撤回。最終的に記事は掲載されなかった。
その後、ランサム氏は2019年に「録画に関する主張は捏造であり、エプスタインの犯罪に注目を集め、彼が危害を加えようとした場合に備えて証拠を持っていると思わせたかった」とニューヨーカーに述べている。
ランサム氏は1月9日のグッド・モーニング・ブリテンの取材で、主張を撤回したのは「公にすれば私自身と私の家族が危険にさらされるとマクスウェルらに強く言われたからだ」と語っている。
エプスタイン元被告は2019年にニューヨーク市の刑務所で死亡し、同氏の性的虐待を手助けしていたマクスウェル被告は2022年に20年の禁固刑を言い渡された。
これまでのところ、ランサム氏が主張するテープは公開されておらず、存在を裏付ける証拠もない。クリントン元大統領やブランソン氏、アンドリュー王子らも告発を否定している。
ランサム氏はグッド・モーニング・ブリテンで、録画の存在について証言する意志があると述べている。
ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。