エミー賞で「女優」「男優」ではなく「パフォーマー」を選ぶことが可能に。ジェンダーニュートラルへの一歩

エミー賞の候補者や受賞者は、2021年からより性別にひもづかない肩書を選べるようになります
第72回エミー賞(2020年9月20日)
第72回エミー賞(2020年9月20日)
Image Group LA via Getty Images

アメリカの優れたテレビドラマや番組に与えられるエミー賞で、俳優たちが「男優」「女優」という肩書きだけではなく、性別にひもづかない「パフォーマー」という肩書を選べるようになる。

同賞を主宰するテレビ芸術科学アカデミーが6月21日、声明で発表した。

決定により、テレビ界で大きな影響力があるエミー賞が、よりジェンダーニュートラルになる一歩を踏み出した。

エミー賞のトロフィー
エミー賞のトロフィー
Frazer Harrison via Getty Images

新たな一歩

ハリウッドリポーターによると、テレビ芸術科学アカデミーは声明で次のように説明している。

 「現在、『男優』もしくは『女優』と名付けられたエミー賞の部門にエントリーする際には、性別を明示するようには求められません」

「さらに今後は、『男優』『女優』と名付けられている全ての演技部門の候補者や受賞者は、候補証明書やトロフィーに男優や女優だけではなく、パフォーマーと表記できるようになります」

パフォーマーの選択は、2021年から可能になるという。

演技部門から性別をなくす動き

パフォーマーが加わることで、ノンバイナリーなど自分を「男性」「女性」の枠組みに当てはめない俳優は、より肩書を選びやすくなるだろう。

その一方で、エミー賞は、「主演男優賞」や「主演女優賞」「助演男優賞」「助演女優賞」など、受賞部門自体からは性別の枠組みをなくさなかった。

受賞部門をめぐっては、世界の様々な賞で性別の枠組みを撤廃する動きが進んでおり、今回のエミー賞の発表直前には、サン・セバスティアン国際映画祭が性別による演技部門の区分けをやめると発表した。

またベルリン国際映画祭も、2021年から最優秀男優賞と最優秀女優賞を廃止し、代わりに最優秀主演賞と最優秀助演賞を新設する。

さらに、LGBTQエンターテイメント批評家によるドリアン賞や、MTVムービー&テレビアワードテレビ批評家協会賞も、「男優賞」「女優賞」という性別の壁を取り払って、賞をよりジェンダーニュートラルにする決定をしている。

ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました(翻訳・加筆:Satoko Y )。

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