イーロン・マスク氏がXに投稿した米大統領選挙に関する主張を、実業家のマーク・キューバン氏がX社の開発した対話型AI「Grok」を使ってファクトチェックし、誤りを指摘した。
大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ氏を支持しているマスク氏は9月29日、「トランプが勝利しなければ、今回が最後の選挙になるということをほとんどのアメリカ人は理解していない」とXに投稿。移民から民主主義を守ることができるのは「トランプ氏だけだ」と主張した。
マスク氏は、民主党政権は「選挙結果を変えるために、移民を激戦州に送り込んで市民権を与えている」とも書き込んでいる。
しかし、このマスク氏の主張は誤りだ。
市民権を持たない外国人らがアメリカに帰化するためには、少なくとも5年間は永住権保持者(LPR)でなければならない。
マスク氏の主張を実現するためには、移民は最短でもトランプ政権時代に入国している必要がある(2023年にアメリカに帰化した人たちがLPRとして過ごした期間の中央値は7年だった)。
また、帰化した人々が住んでいる州のトップ10は、カリフォルニア、テキサス、フロリダ、ニューヨーク、ニュージャージー、イリノイ、ワシントン、ペンシルバニア、マサチューセッツ、バージニアで、このうち激戦州はペンシルバニア州だけだ。
そのペンシルベニア州でも、2023年に帰化した人の割合はわずか2.8%で、半数はカリフォルニア、テキサス、フロリダ、ニューヨークに住んでいる。
しかしマスク氏は、民主党が勝てば「激戦州は消滅」し、「民主主義は終わりを告げる」と主張している。
このマスク氏の投稿に異議を唱えたのが、キューバン氏だ。
「イーロン・マスク、Grokの開発に本当に感謝しています。あなたをファクトチェックするのに最適な方法です」というコメントともに、マスク氏の主張をGrokで分析した結果をXに投稿した。
投稿によると、Grokはマスク氏の主張を「事実に基づいた分析ではなく、誇張された主張や憶測に基づく恐怖が含まれている」と結論づけ、「不安をあおり、過度に決定論的だ」と評価した。
キューバン氏は別の投稿でも、マスク氏に「トランプ氏への忠誠心が報われることはないだろう」と警告している。
「イーロン、あなたがドナルド・トランプに何かをお願いする時が来るでしょう」
「あなたは、自分には要求する権利があり、見返りが得られると思うでしょう。あなたは彼に忠実な兵士でしたし、何千万ドルも政治的な支援をしてきました」
「しかし、あなたが彼を最も必要とする時に、他の多くの人たちと同じことを学ぶことになるでしょう。彼の忠誠は自分にしか向けられていないということを」
ハフポストUS版の記事を翻訳しました。