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インド南部ケララ州トリチュールにある寺院が、本物と同じサイズのロボットのゾウを導入した。
ロボットの名前は「Irinjadappilly Raman」で、インディアトゥデイによると、高さ約3.2メートル、重さ800キロあり、人間4人を乗せられる。
さらに、頭や目、口、耳、尻尾などが動く仕掛けになっており、2月26日には、このロボットのゾウを使った礼拝の儀式が行われた。
ロボットを導入したのは、生きたゾウを儀式やお祭りなどで使わないようにするためだ。ゾウは動物の権利擁護団体PETA(動物の倫理的扱いを求める人々の会)インドと、俳優のパールヴァティー・ティルヴォトゥさんから寄贈された。
PETAインドによると、ケララ州を含めインドで人間に飼育されているほとんどのゾウは、違法に飼われている。
ゾウたちは、仲間や家族から引き離され、乗り物や儀式や芸の訓練のため、金属をつけた武器などで叩かれることもある。また、何時間もコンクリートに鎖でつながれ、足の病気や傷に苦しむゾウも多くいるという。
インドの動物の権利擁護団体「センター・フォー・リサーチ・オン・アニマル・ライツ」は2月、2018年から2023年の間に138頭のゾウが死んだとして、ケララ州政府に調査やゾウの待遇の改善を求めた。
また、犠牲になっているのは、ゾウだけではない。
PETAインドは、怒ったゾウに人間や他の動物が殺される事故も起きており、「過去15年間で、飼育されているゾウによってケララ州で526人が死亡した」というヘリテージ・アニマル・タスク・フォースの調査を紹介している。
同団体は、ロボットゾウはこういった問題の解決になるとして「地元の寺院に、機械の動物を使い、本物のゾウは安らぎの場所でチェーンにつながれない状態で暮らせるようにしてほしいと呼びかけてください」と訴えている。
ロボットのゾウを導入した寺院の僧侶の一人は、「ゾウを自然の中で住めるようにすることが、ゾウの神・ガネーシャを崇拝することになる」と述べている。