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アメリカ・ミズーリ州のセントルイス動物園で園内に犬が迷い込み、その後ゾウが倒れて死んだ。
死んだのは27歳のアジアゾウ・ロニーで、倒れる前に仲間が興奮状態になっていたという。
犬が迷い込んでからわずか20分後に死ぬ
セントルイス動物園によると、10月13日午後3時39分頃、小型犬がゾウ舎近くの一般立ち入り禁止エリアに入り込んだ。
ゾウの飼育チームがすぐに犬を捕まえたものの、屋外にいたゾウが犬に気付いて興奮状態になったという。チームは興奮したゾウをすぐに離れた室内に移動させた。
この騒動の間、ロニーは室内の寝室で夕食を食べており、犬の姿は見ていなかったという。
しかしロニーは仲間の声に反応して動揺した様子を見せ、周回して声をあげた後に倒れ込んだとされる。動物園は一瞬の出来事だったと伝えている。
動物園によると、飼育チームと動物保健チームがすぐに緊急治療を施したもののロニーは13日午後4時頃に死んだ。犬がゾウ舎の近くに現れてからわずか20分後だった。
死体の解剖から、ロニーの心臓に以前からあった変化が起きていたことがわかったという。この変化がロニーの死に与えた影響はわかっておらず、動物園はさらなる検査を行うとしている。
マイケル・マセック園長は、「私たちは大きなショックを受けています」「プロの動物ケア専門チームが全力を尽くしましたが、ロニーを救うことはできませんでした」と述べている。
犬がどこから迷い込んだかは明らかになっていないが、セントルイス動物園は保護施設に引き渡したと説明している。同園では介助動物以外は、犬も含めすべてのペットの入場が認められていない。
セントルイス動物園によると、ロニーは5歳だった2001年に母親のエリーと一緒に、種の生存計画の一環で同園にやってきた。
現在52歳のエリーと、2007年に生まれた16歳のジェイドは、今も動物園で暮らしている。
ゾウの群れを担当していたマネージャーのケイティ・ピルグラム=クロッペさんは、ロニーについて「飼育チームや他のゾウたちと素晴らしい関係を築いていました。家族と交流する時にはキーキーという独特の音を発し、それを子どものジェイドも真似していました」と述べている。
アジアゾウはUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで「絶滅危惧種」に指定されており、推定個体数は5万頭以下とされている。
セントルイス動物園では、インドネシアやインド、ラオスなどでアジアゾウの保護活動を支援しているほか、北米での種の保存活動をしており、現在8頭が暮らしている。