グラミー賞の受賞経験があるイギリスの著名ミュージシャンが、日本のアニメ『映像研には手を出すな!』を称賛したことが話題になっている。
■文化的ハイライトの1つに映像研が選ばれる
そのミュージシャンとは、エルヴィス・コステロさん(67)。CDジャーナルによると、ロンドン出身のミュージシャン・作曲家・プロデューサーで、1977年にシングル「レス・ザン・ゼロ」でデビューした。2018年に発表したアルバム『ルック・ナウ』は、2020年第62回グラミー賞で最優秀トラディショナル・ポップ・ヴォーカル・アルバムを受賞している。
イギリスの新聞「ガーディアン」は10月31日、コステロさんの「文化的ハイライト」として、彼のお気に入りの作品を映画・音楽・ガジェットなど6つの分野で取り上げた。
その中で「テレビ」のイチオシに選ばれたのが『映像研には手を出すな!』だった。アメリカの配信サービス「クランチロール」で視聴した模様だ。
■映像研は「映画制作のあらゆる要素の教材だ」
コステロさんは「アニメの部活動を守るために、心が狭い学校の官僚機構と駆け引きをする3人の少女を描いた日本の作品」と紹介。登場人物たちの想像が描かれるシーンを「少女たちの想像力が紙のページから実際の生活に飛び出す」と表現した。「全体を通してこのシリーズは、ストーリーボードからサウンドデザインまで、映画制作のあらゆる要素の教材だ」と称賛。「とてもクールなテーマソングもある」と結んでいる。
これに日本の制作陣もTwitterで反応。原作者の漫画家・大童澄瞳(おおわら・すみと)さんは11月1日に「エルビス・コステロが『映像研には手を出すな!』を推してる」と紹介。アニメ版の湯浅政明監督も「おお今知った」と驚いた様子。主題歌を担当する音楽ユニット「chelmico」のRachelさんも「ただのクールじゃないですよ。ベリークールですよ」と喜びを露わにしている。
■コステロさんの『映像研には手を出すな!』レビューの翻訳全文
2. テレビ
『映像研には手を出すな!』(クランチロール)
アニメの部活動を守るために、心が狭い学校の官僚機構と駆け引きをする3人の少女を描いた日本の作品だ。それぞれの少女は、スキルと社会的負担のバランスを取る。
1人目は、痛々しいほど内気だが、見事に想像力豊かだ。2人目は、10代の読者モデルとしての名声を簡単に得ている。3人目は、ほとんど不吉な存在でひねくれているが、ビジネスの頭脳を持つ必要な政治家だ。
それぞれのエピソードでは異なるレイヤーのアニメーションが使われていて、少女たちの想像力が紙のページから実際への生活と飛躍していく。全体を通してこのシリーズは、ストーリーボードからサウンドデザインまで、映画制作のあらゆる要素の教材だ。とてもクールなテーマソングもある。