女子生徒の胸や肩の画像を、学校が修正。フロリダ高校の対応に生徒や親から非難殺到

男子生徒は胸がうつっていても修正されなかったのに――。生徒や保護者から抗議の声があがっています

アメリカ・フロリダ州の高校で、イヤーブック(1年間の学校生活をまとめたアルバム)に掲載された女子生徒の写真の胸や肩部分がデジタル加工され、生徒や親から激しい抗議が起きている。

写真を修正したのは、フロリダ州ジャクソンビル南部にあるバートラムトレイル高校。少なくとも80人の女子生徒たちが対象になった。

15歳のライリー・オキーフさんも、画像を修正された一人だ。

オキーフさんと両親は「対象になったのは女子生徒たちだけで、男子生徒たちの写真は、競泳用の小さな水着を身につけた水泳チームの生徒も含めて一枚も修正されなかった」とニューヨークタイムズに語っている。

学校側は画像を修正した理由を「校則が定める服装規定に違反していたから」と説明している。しかし生徒や親たちは「服装規定は時代遅れで有害であり、性差別だ」と批判している。

オキーフさんの場合、写真の胸部分に黒い線が加えられた。

This is a before and after yearbook photo taken of Bartram Trail 9th grade high school student, Riley O’Keefe.

She says it was deemed inappropriate by the school and photoshopped in the printed edition.

Parents and students are now asking for a major change.@ActionNewsJax pic.twitter.com/f8MjkZMDOw

— Ben Ryan (@BenRyanANJax) May 20, 2021

ツイート:バートラムトレイル高校9年生のライリー・オキーフさんの、イヤーブックに載せられる前と後の写真です。オキーフさんによると、写真は学校から不適切だと判断され、加工されました。親や生徒たちは、このような状況を変えるよう求めています

オキーフさんはこれまで、着ている服装が規定違反だと指摘されたことはないという。画像修正について「学校側が私の写真を見て不適切だと感じたということを、少し居心地悪く感じました」と地元テレビ局News4 Jaxに語っている。

さらに「画像修正された生徒たちは、自分の体はイヤーブックでは受け入れられないんだと感じた」とも述べている

他の学生も「当惑した、性的な視点で見られていると感じた、気持ち悪い、恥ずかしい」など、画像を修正されたことへの不快感を語っている

She isn’t the only one.

We looked at the yearbook and after speaking with several parents and students, they all said at least 60 pictures, if not more, were photoshopped/edited.

We were given permission to use these photos. @ActionNewsJax pic.twitter.com/aTgV5XlUud

— Ben Ryan (@BenRyanANJax) May 20, 2021

ツイート:写真を加工されたのはオキーフさんだけではありません。イヤーブックを確認して何人かの生徒や親たちに話を聞いたところ、少なくとも60枚の写真が修正されていました。許可を得て、写真を比較します

保護者も学校の対応を批判しており、娘のブルックさんの写真を修正されたエイドリアン・バートレットさんは、画像修正が若者に与える悪影響を危惧していると、News4 Jaxに語っている。

「これは悲しく心配な出来事です。私の娘はメンタルヘルスや自己肯定感、そしてボディイメージの問題に苦しんでいて、そのために今年は何度か入院しました。今回のことは、こういった若者たちにとって、とても有害な影響を与えかねません。とても心配です」

バートラムトレイル高校は声明で「これまで校則違反と判断された写真はイヤーブックに載せてきませんでした。しかし全生徒の写真を掲載するための解決策として、デジタル修正を導入しました」と説明している。

しかし、すでに親や保護者や生徒たちから、来年のイヤーブックではこの対応を改善するよう求める意見が寄せられているという。

学校は、画像修正を問題だと感じた保護者にはイヤーブックの料金を返金する手続きをとっている。 

これまでも服装規定が問題になってきた

同校では3月にも、服装規定が問題になっている。

この時には服装規定に反しているとみなされた女子生徒がクラスから出されて、着替えるよう求められた。

さらにその多くが、服装チェックのためにジャケットのファスナーを下ろして、着ている服を見せるよう指示されたという。

オキーフさんはこの出来事に抗議するオンライン署名キャンペーンを立ち上げており、これまでに5000人以上が賛同している。

オキーフさんは署名サイトに次のようにつづり「服装を問題視する方に問題がある」と訴えている。

「服装規定が、若い女性とその服装を性の対象としてみなしているということは明らかです。多くの女子生徒たちが、『服装が不適切だ』とか、『男子生徒の注意をそらしている』と言われています」

「しかし若い女性たちがどんな服を着ているかが問題なのではなく、周りがどう受け止めているかが問題だということは明らかです」

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。

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