ファストファッション通販サイト「SHOPLIST.com by CROOZ」やゲーム、投資などの事業を展開するCROOZグループには「若手にも事業責任者、経営を任せていく」というカルチャーがある。今回取材した稲子谷 光(いなごや・ひかる)さんもそのうちの一人。28歳で「CROOZ EC Partners」の代表を務める人物だ。2018年3月に立ち上がった新会社を任されるまでの軌跡に迫った。
インターネットの時代を動かす人材輩出を
CROOZグループが躍進を遂げている。
2018年5月には「CROOZ永久進化構想」を発表。「インターネットの時代を動かす100人を創る」をミッションに掲げている。グループ全体で目指しているのは「時価総額1兆円」の実現だ。
事実、経営・事業トップとして活躍できるポジションが続々と誕生。今回取材した稲子谷 さんもチャンスを手にした一人だ。「CROOZ EC Partners」の代表を務めている彼は、事業の構想についてこう語ってくれた。
「通販を通じて最高の買い物体験ができて、インターネット上のユーザーに喜んでもらえるような、そんなプロダクトを作りたい。少しでも多くのユーザーに使っていただくことによって、EC市場全体を盛り上げていきたい」
彼はどのようにしてチャンスを手にしたのか。歩んできたキャリア、そしてその先に見据える未来とは。
2度の事業失敗が私に教えてくれたこと
28歳で上場企業のグループ会社代表へーー。
一見すると順風満帆なキャリアを歩んできたように見える稲子谷さん。だが、その道のりは決して平坦なものではなかった。
「実は2度ほど、新規事業で失敗しています」
当時のことを彼はこう振り返った。
「どちらの事業もなかなか収益化の目処がたたず、チームは解散となりました。悔しいという思いはもちろんありました。ただ、それよりも"申し訳ない"という気持ちのほうが大きかったかもしれません。一緒に働いてくれる仲間や期待して任せてくれた人たちに対して、合わす顔がありませんでした」
そこで諦めることもできたはず。ただ、稲子谷さんは三度目のチャンスに手をあげた。
「とにかくもう一度がむしゃらに仕事に向き合い、真摯に取り組む。そして目に見える圧倒的な成果を出すことが、何よりも最高の恩返しになると思ったんです」
「もう二度と、掴んだチャンスを離さない」
2度の失敗から彼はいかにして、返り咲いたのか。そこには並々ならぬ努力があった。
「目の前のことに、とにかく真っすぐに向き合い仕事をする。常に相手の期待を超えるものをアウトプットする。常にここを意識していきました。信頼は本当に小さなことの積み重ねから成り立つと思います。たとえば、資料作成などの作業であったとしても〆切よりも前に提出するだったり、頼まれている意図を正確に汲み取りアウトプットするだったり。至極小さく、当たり前のことではありますが、そんな小さな当たり前のことを当たり前にできない人には、大きなチャンスは絶対に与えられない。仕事に大小を付けることなく、確実にどんな仕事でも半端に投げ出さず、最後までやり抜くことを意識していました」
そして掴んだのが、ECソリューション事業の立ち上げ責任者というポジション。
「2度もチャンスを与えてもらいながら、そのチャンスを掴み切れずに離してしまった。それでも、とまた期待してチャンスを与えてくれる人がいた。その人のためにもこのチャンスはもう絶対に掴んで、離さない。必ず成功させると誓いました」
そこから稲子谷さんは躍進する。ECソリューション事業は規模を急拡大し、「CROOZ EC Partners」としてスピンアウトすることになったのだ。
代表取締役はもちろん稲子谷さんだった。
「まだまだ自分が受けてきた恩を返したとは全く思っていません。CROOZグループの一翼を担う会社になる。この事業を大きな柱にする。まだ本当にスタートラインに立ったばかりだと思っています」
仲間にたくさんの成長の機会を与えていきたい
「28歳で社長、ということを”すごい”というふうに言っていただくことについては、素直に嬉しく思っています。ですが、実際当社の平均年齢は24、5歳。入社2年目で大型ECサイト構築のプロジェクトリーダーを担ったり、3年目でCTOとして活躍したりしている人材もいます。実際、僕がこの5年間与え続けてもらったように会社の仲間には成長の機会やチャンスを与えていきたいです。そして、それが会社の仲間や会社の成長に繋がればと思っています」
今後、パートナー数とともに社員数も増やし、CROOZ EC Partnersを急拡大させていく。そのプレッシャーさえも、彼の原動力になっているのかもしれない。
「会社を経営する立場になって感じるのは、 ”会社の仲間たちやその家族を路頭に迷わせてはいけない” という怖さです。ただだからこそ、その恐怖さえも吹き飛ぶくらい圧倒的に会社を成長させていきたい。みんなが喜んでくれる顔をみたい。どんな苦しい状況でも、みんなで乗り越えていきたい。そう思うだけで頑張れます」
取材の最後には、力強く「未来」について語ってくれた。
「ここにはすでに最高のビジネスと最高のプロダクトがあります。あとは最高の仲間達とともに、未来を切り開くために走り続けていく。それだけです」
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