8年前にナメクジを食べた結果、体が麻痺していた29歳のオーストラリア人の男性が死亡した。11月2日にシドニーの病院で亡くなったと、現地メディアの9NEWSが報じた。
■パーティーの席でナメクジを飲み込む
「news.com.au」などによると、亡くなったのはサム・バラードさん。問題の出来事があった2010年当時は、19歳の有望なラグビー選手だった。
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庭で開かれたパーティーで赤ワインを飲んでいるとき、テーブルを這っていたナメクジを見つけた友人たちの間で「食ってみろよ。やれるもんならな」と話題になり、バラードさんはナメクジを飲み込んだ。
すぐに症状が出なかったが、数日後には脚を激しい痛みが襲った。ニューズウィークによると、ナメクジを食べたことが原因かと気になった彼が病院で診察を受けた結果、ナメクジの寄生虫「広東住血線虫」が原因だと分かったという。
ヤフーニュースUK版によると、寄生虫が脳に感染したことで、バラードさんはまもなく420日間の昏睡状態となった。バラードさんは3年間の入院生活を経て退院したが、その後も体の麻痺は残り、車椅子生活を続けていたという。
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■広東住血線虫とは?
デジタル大辞泉と家庭医学館によると広東住血線虫は、もともとネズミを宿主とする寄生虫だ。
幼虫期はカタツムリやナメクジに寄生しているため、調理が不十分なカタツムリやナメクジを食べることで、人間にも感染する。脊髄から脳に侵入して、好酸球性髄膜脳炎を起こす。
約2週間の潜伏期間を経て、激しい頭痛・発熱・嘔吐・知覚異常・昏睡などの症状が起こる。2~4週間で自然に治癒することが多いが、感染虫数が多く重篤な場合は死亡することもあるという。