宿泊しながら「クエスト」を通して現地生活を体験。福島県・双葉町で始まる「暮らす旅」とは?

CHOCOLATE Inc.と「Draw in FUTABA」は、地域ならではの異日常を体験できる新感覚のホテル「Hotel Quest〜浜のでいりぐち〜」の試験運用を実施。1月に実施したトライアルの様子を記録したコンセプト映像と、インフルエンサーによる体験映像を公開した。

東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故以降、被災地における避難指示区域の解除や当該区域における事業の再開など、復興に向けた動きが加速している。

CHOCOLATE Inc.と、クリエイターと地域を描く活動体「Draw in FUTABA」は、ホテルプロデュースカンパニー・水星と協同で、地域ならではの異日常を体験できる新感覚のホテル「Hotel Quest 〜浜のでいりぐち〜」の試験運用を実施。1月に実施したトライアルの様子を捉えたコンセプト映像と、インフルエンサーによる体験映像を公開した。

ボランティアと観光をつなぐ「クエスト」体験

Hote Quest〜浜のでいりぐち〜
Hote Quest〜浜のでいりぐち〜
Draw in FUTABA

震災から約14年が経った今、福島県の浜通り地域(太平洋側沿岸の地域)には世界中から「ホープツーリズム」として多くの観光客が訪れている。しかし、見学や鑑賞以外の体験がデザインされていないことがネックとなり、宿泊先として選ぶ人が少ないなどの課題を抱えており、次の一手が求められている。

一方で、浜通り地域は多くの若手プレイヤーがイノベーションの担い手として参入している地域でもあるという。そうした現状を受けて、Draw in FUTABAは「人手が不足しがちな地域の方々」と「普段とは違う体験を求める宿泊者」とがマッチングできる拠点として「Hotel Quest〜浜のでいりぐち〜」を構想。

同ホテルでは、浜通り地域で生まれている様々な活動のお手伝いを「クエスト」という形で用意。宿泊者は多種多様な「クエスト」の中から自分が体験したいものを選択し、地域の日常に入り込むことができる。

ボランティアや移住への心理的ハードルを高く感じる人も多い中、地域の参加者として楽しめる滞在体験は、新しい「異日常体験」として期待されている。

3種類のクエストで「地域の日常に入り込む」

Draw in FUTABA

今回のトライアルは、双葉町にある個人邸を一時的に借りて開催された。

さらに地域住民の協力のもと、ホテルで体験可能なクエスト「キウイ畑で開催する古着市を思い出に残したい!」「薬局をDIYして、ライブができるコミュニティスペースをつくりたい!」「文化財の古民家での餅つき大会を、一緒に楽しみたい!」の3種類を用意。

各クエストにインフルエンサー3人が招待され、宿泊とクエストを体験した。参加したインフルエンサーはクエストを通して、浜通り地域ならではの「異日常」な体験に触れ、地域への関心を深めるとともに、本格事業化に向けた期待感を高めた。

また、1月31日からは「Hotel Quest 〜浜のでいりぐち〜」の一連の体験をまとめたコンセプト映像を公開。地域の日常に入り込み、地域との新しい関わり方を生み出す「クエスト型ホテル」の魅力を直感的に理解できるような映像になっているという。

今後、さらに試行錯誤を重ね段階的な定期実装を経て、最終的には拠点となるホテルを新設し定常的な事業として展開を目指していくという。 

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