コラムニストのE・ジーン・キャロル氏が、ドナルド・トランプ前大統領に1990年代にレイプされたと訴えていた民事裁判で、ニューヨーク州マンハッタン地区の陪審員団は5月9日、トランプ氏による性的虐待と名誉毀損を認め、総額500万ドル(約6億7600万円)の損害賠償金支払いを命じた。
キャロル氏は法廷を出る際に弁護士の手を握りしめ、集まった報道陣に「とても幸せです」とだけコメントした。
一方、トランプ氏は自身が立ち上げたSNS 「トゥルース・ソーシャル」で評決への不満を表明。
「私はこの女性を全く知らない。この判決は恥ずべきものだ - 史上最大の政治的迫害が続いている!」と投稿した。
今回、キャロル氏の訴訟を可能にしたのは、ニューヨーク州の「成人被害者法(Adult Survivors Act)」だ。
この法律で、性的虐待の被害者は時効後も一度だけ民事訴訟を起こせるようになった。
裁判では、6人の男性と3人の女性で構成された陪審員団がレイプではなく性的虐待と名誉毀損を認定し、500万ドルの損害賠償を認めた。
一方、トランプ陣営は、ハフポストUS版にメールで送付した声明で事件を「政治的な企み」と呼び「2024年大統領選挙における圧倒的有力候補者であるトランプ氏を標的にしたものだ」と主張した。
声明には「トランプ氏は控訴の意向を示している」とも記されている。
キャロル氏は、1990年代中ごろにニューヨークの高級デパート「バーグドルフ・グッドマン」の試着室でトランプ氏にレイプされたと裁判で主張してきた。
トランプ氏はこの訴えを否定しているものの、裁判で証言することを拒否。それにも関わらず「自分は発言が認められなかった」と偽りの主張をした。
ハフポストUS版の記事を翻訳・加筆しました。