1年で最もたくさんの人間を殺す動物は、何だろうか? 興味深い統計をまとめたビジュアル資料がある。
マイクロソフトの創業者で「ビル&メリンダゲイツ財団」を運営しているビル・ゲイツ氏が、自身のブログ「gatesnotes」で公表した「世界の殺し屋の動物たちー1年で動物に殺される人間の数」(World's Deadliest Animals)の2014年4月公開版を見てみよう。WHOなど各種統計から引用してまとめた。
内訳は
サメ 10人
オオカミ 10人
ライオン 100人
ゾウ 100人
カバ 500人
ワニ 1,000人
サナダムシ 2,000人
カイチュウ 2,500人
巻き貝 10,000人
サシガメ 10,000人
ツエツエバエ 10,000人
イヌ 25,000人
ヘビ 50,000人
人間 475,000人 (戦争など武力行使以外の殺人)
圧倒的に人間を引き離し、年間725,000人を殺している動物がいた。
1年で72万人も殺している動物とはーーーー
「蚊」だった。
蚊に刺されて亡くなる代表的な病気が、マラリアだ。
マラリア原虫を保有しているハマダラカに刺されて感染する。
WHOのマラリアレポートによると、世界で年間約2億人が感染し、約43万人(推計)が亡くなる。WHOによると、マラリア死亡者の90%が、サハラ以南のアフリカ地域に集中している。
発熱や脳炎を引き起こすウエストナイルウイルス、子どもが重症になりやすいデング熱も、蚊によって媒介される。
2016年、World's Deadliest Animalsの改訂版が新たに公表された。
改訂版では、サソリ(死亡者=3500人)やハチ(60人)、クラゲ(40人)、トラ(50人)が新たに追加されたほか、前回登場した動物の数字も更新された。それでも蚊(830,000人)が人間(580,000人)を引き離し、圧倒的な多さだった。
ゲイツ氏はブログに載せた改訂版の投稿文で、動物による死亡者を「2015年のエイズか糖尿病の死亡者とほぼ同じ数」と説明。「リストにあるもっと小さい生き物に比べたら、サメなどはそんな恐ろしいものではない」としている。