オーストラリアのカレン・アンドリュース内務大臣は17日、ビザ取消が決まった男子テニス世界ランク1位のノバク・ジョコビッチ選手について、今後3年間入国が禁止されると明らかにした。
アンドリュース内務大臣はスカイニュースのインタビューで、「ジョコビッチ選手には3年の入国禁止が適用されます」と説明。
この制裁は「やむを得ない事情がある場合には、撤回される可能性がある」と述べた一方で、「入国拒否やビザ取消になった人が、再びオーストラリアに来るのは簡単なことではない」と強調した。
アンドリュース氏は、別のニュース番組のインタビューでも、 入国禁止の撤回は「仮定に基づいた話」と伝えている。
アンドリュース内務大臣のツイート:オーストラリアは新型コロナウイルスで、世界で最も死亡率が低く、好調な経済を維持し、ワクチン接種率が高い国の一つです。だからこそ、私たちはこの国に来る人たちに、必ず入国条件を満たしてもらう必要があるのです
また9ニュースによると、オーストラリアのモリソン首相は「条件が揃えば」ジョコビッチ選手にはビザが発行されると述べた。
全豪オープン10回目の優勝を目指していたジョコビッチ選手だったが、3年の入国禁止により、2023年以降の出場も危ぶまれる事態になった。
ビザをめぐる約10日の法廷闘争
ジョコビッチ選手は1月5日、全豪オープン出場のためにメルボルン空港に到着。事前に「医療上の理由からワクチン接種が免除された」と報告していた。
しかし豪当局は、ジョコビッチ選手が同国の入国基準を満たしていないとして、空港でビザを取り消した。
ジョコビッチ選手はすぐにビザ却下の差し止めを申請し、10日にはこの決定を無効とする司法判断が示された。
しかし14日には、アレックス・ホーク移民相が「公共の利益のため」として再びビザを取り消した。
ジョコビッチ選手は不服を申し立てたものの、オーストラリアの連邦裁判所は16日、政府の決定を支持する判断を示した。
ジョコビッチ選手は国外退去が決まった16日に、オーストラリアを出国。声明で「裁判所の判断に非常に失望している」としつつ「判決を尊重して、関連当局に協力する」と述べた。