はいどーも。ナカムラです。
またムダに煽りまくりなタイトルですが、今回は このところ割と本気で感じている「ディレクター不要になるかも論」についてちょっと書いてみようかと思います。
ディレクションは本来、事業側でやったほうが効率がいい
このブログでもちょいちょい書いてきましたが、元々ディレクション領域って事業側がやるべきなんですよね。
だって「どんなマーケットで」「誰に対して」「何を感じて」「何をしてもらえばいいか?」
これを具体的に考えて決めていくのって、やっぱり事業側メインのほうが早いんですもの。
ただ、実際の制作の現場においては...
「専門用語分からん!」
「webやらアプリやらのユーザー特性知らん!」
という人たちが事業側に多かったので、極めて暫定的なニーズとして『翻訳者としての制作ディレクター』が必要とされてきたんだろうなー...と。
で、その状態になった要因をもうちょっと分解してみると
- 事業側が専門用語やらWebマーケティングやらに疎い
- デザイナーやエンジニアがセールスやマーケティングに疎い
- 事業側が制作者と直接コミュニケーションする機会と共通言語が少ない
とまぁ、この辺が今のディレクターが必要とされる要因だったんじゃなかろうか?と思うんです。
が、これって逆に言えば上記が満たされてしまえばディレクターなんていらないとも言えるんじゃないかと。
動き出した「依頼主と制作者を直接繋ぐ仕組み」とディレクションタスクの移譲
実は上述の条件が実際に揃った結果、マジで「いわゆる制作屋のディレクター」がいらなくなっちゃった事例が、既に結構な数でてきています。
以下は最近ナカムラがよく出入りしている KaizenPlatform の例ですが、例えばこんな感じ。
1.事業側がオリエンシートを作成
事業側が目的と課題をある程度明確にあぶり出した「オリエンシート」を作成してKaizenPlatformに登録(以下実際に登録されたやつです)
2.グロースハッカーによる改善提案
登録されたシートを見たグロースハッカー(今1500人?くらい登録してる制作実務スキル持ち)が解決策を検討 ⇒ 実際に制作して提唱
3.掲出された複数の案でテスト ⇒ 改善
作成された画面改善案をKaizenのシステム上でA・B・C・D・E・F 案みたいな感じで複数登録して同時分岐テスト実施。
有効な画面案だけ残してさらに改善案を募集して繰り返し...というフローを何回か通過させ、最終的にかなりの高確率でKPIを改善。
パッと見『よくあるただのABテストツール』に見えるかもですが、特筆すべきは "事業側が課題と改善箇所を明確にあぶり出した上で依頼している" という点。
そして、さらに注目すべきは『事業側から直接課題を受け取って』グロースハッカーと呼ばれる "制作側の人間が「こうすればいいんじゃない?」と具体案を提唱している" 点です。
ここでやってることってつまり...
- 課題を洗い出して
- まとめて指示書にして
- 制作の方針を決めて
- 具体施策を設計して
- クリエイティブに落としこむ
- そして『成果』を出す
てことなんですよね。
これって、まさに今まで『ディレクション業務』とされていたコアな部分ですよね?
なのに、ディレクターがいないんですよ。このケースの場合。
Web担(もしくはマーケター等)と制作者のみで回ってるんです。それこそディレクターが入るケースよりもはるかに早く。効率的に。
ちなみに今回事例を公開してくれたガリバーさんの場合、最終的にCVRを0.4%も押し上げた要因は『バナーラベルの変更』。
もしこれを「ここが課題だ」と分かった状態で制作に発注されたとしたら...?
依頼内容は「ボタンラベルのパターン数分画像作って!」てことになって、作成費用 ... 数千円くらいですかね?
もう「何したらいいですか?」とか依頼主に聞いてる場合じゃないんですよ。実際。
もちろんまだまだ課題も多いけど
勘のいい人は気づいてるかもですが、もちろんまだまだ課題項目は多いです。
例えば「どこの画面が課題なのか?」ってのは、UX設計の専門家でもない事業側web担オンリーだとしんどくね?とか。あるいは「出てきた案がダメダメだったらどーすんの?」とか。
ただ、だからと言ってその辺の領域に関して「ウチはUX設計の専門ディレクターいまっせ!」て言える制作屋も、そもそもそんな多くないですし、「ウチに頼んでくれれば何であっても最高のデザイン&コーディングしまっせ!」て言える制作屋もディレクターも別に多くはないと思うんですね。
で、そんなたどり着けるかどうかも怪しい高みを組織として目指して、いつとも知れない辿り着く日を待つよりも...
- 事業側がいろいろと知見を持つ
- 制作側がビジネス的な観点を身につける
- そこのコミュケーションを簡易にするツールが普及する
てな感じで、『現状ディレクターが必要とされる理由へのカウンター』が整っていくほうが早いような気がするんです。
それが5年後なのか10年後なのかはわかりませんが。
僕らディレクターは何をどう考え、どう進化すべきか
これって、つまりディレ協やこのブログでさんざん叫んでる内容と同じことなんだろーなー なんて思っています。
つまり「もっと思いっきり上流に食い込んで事業設計レベルで何やるのか提唱できるようになろうぜ」なんですよ。多分。
完全に個人的な感覚ですが、僕は以下のように考えます。
- いずれ近いうちに制作ディレクターはいらなくなる
- でも「ディレクションスキル」自体の需要はもっと伸びて広く普及する(事業側や作り手側に)
- だから、ディレクターの次のステップはもっと上。でプロデューサーとか事業コンサルとかそっちに向かう気がする
ていうか、そうなれなかった場合、それこそ決まりきった依頼をこなして、数千円でバナー作るくらいしかやる事がなくなるんだろーなー。とすら感じてたりします。
うん。正直に言うと、そこそこ焦ってます。
いま目の前にある仕事に忙殺されてる場合じゃ、無いと思いますよ?皆さん?(自戒をこめて)
実際に事業側インハウスでディレクションをうまいことやった「事例とコツ」を聞きに行こう!
と、いうセミナー告知です。はい。
ディレクターはもっと上流に行かないと色々ヤバイ!それは分かったけど実際何をどうすりゃいいの?!事業側でWeb担やってるけどグロースってどうやんのーー!
という方のために、実際インハウスでほぼすべての制作をまとめ、KPIの設計からPDCAのサイクルまでを超高速で組み立て ⇒ 実行することで成長を大きな遂げた『ブライダルネット』の現役役員 桑原さんが、直接なんやかんや教えてくれます。
セミナー内容がなかなか熱い!ナカムラも冒頭にチラッと出るのでぜひにぜひに。