約6億年前のエディアカラ紀の地層から見つかった奇妙な化石「ディッキンソニア」の正体は、世界最古の動物だった。そんな研究結果が発表された。
座布団のような体。正体をめぐって何十年も論争
ディッキンソニアは1940年代にオーストラリアで最初に発見された。当時オーストラリアの博物館で館長を務めていたディッキンソンさんにちなんで命名された。
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まるで座布団のような、楕円形の姿をしている。大きさは1センチから80センチほどまで、さまざまだ。体の中央に線が入り、その横に無数の溝があるのが特徴。溝は左右で微妙にずれているため、左右非対称となっている。
ディッキンソニアの正体をめぐっては、何十年も論争が続いていた。古生物学者の池尻武仁さんの説明によると、「クラゲや珊瑚の仲間だ」「ミミズの仲間だ」など原始的な動物とする説のほか、「地衣類の群れだ」とする植物説や、菌類説なども出ていた。
コレステロールの分子を発見
しかし、その決着がつきそうだ。オーストラリア国立大学などの研究チームが9月20日、アメリカの「サイエンス」誌に論文を掲載したからだ。
彼らはロシアの崖から発掘した化石の内容物を分析した結果、動物の特徴であるコレステロールの分子を発見した。そのため、ディッキンソニアは、これまでに発見された中では地球上で最古の動物だったと結論付けた。
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ディッキンソニアは、約5億年前のカンブリア紀に多様な生物が登場した「カンブリア爆発」の前兆だった可能性があるという。